部落解放・人権研究所では、今年度の委託事業として、部落解放同盟群馬県連合会同盟員に対する調査の分析を行っている。調査対象は群馬県連全同盟員2,330名、調査方法は郵送法、調査時期は2006年7月18-31日(督促1回)である。結果、有効回収数は950票(有効回収率40.8%)であった。
調査から明らかになったのは、同盟員の高齢化である。平均年齢は62.8歳であり、全体的に高齢に偏っている。50歳未満は10.8%にすぎず、20歳代・30歳代の同盟員が極めて少ない。若年層の同盟への参加は、組織強化の緊急課題である。
被差別体験については、35.3%が差別を受けたことが「ある」としている。これまで受けた被差別体験の中で、最も悔しいと思った差別の内容およびその差別についての現在の感想については自由記述でたずねており、その内容については、結婚や恋愛に関する差別、職場での差別、部落出身とわかって交際を断られる、からかわれるなど、被差別体験が具体的に記述されている。一番最近受けた差別については、場面としては「職場」、内容としては「発言」、差別への対応としては「黙って我慢した」がそれぞれ最も多い。
部落(同和)問題認識の特徴としては、結婚差別について特に厳しく認識されている。また、4割弱が自身が部落差別を受けるのではないかと思うと回答している。同和問題の解決方法については、「差別をしたり差別を営利目的などに使う者を法律で処罰する」「学校教育、社会教育を通じて、差別をなくし、人権を大切にする教育活動、啓発活動を積極的に行う」「周辺地域との交流をすすめる」「同和地区の生活環境をよくする」「同和地区の人々の収入を安定、向上し、教育水準を高め、生活力を強くする」に対する賛成が6割を超えている。また、「同和地区の人が固まって住まないようにする」「同和地区のことや差別のことなど口に出さないで、そっとしておけば自然になくなる」については否定的な意見の割合が高い。
同盟員を続けていく意思については、「今後も続けたい」が4割と最も割合が高いが、「わからない」とする者も3分の1を占める。今後も続けたい理由としては、現在も差別があるから・差別を受けるかもしれないからという理由や、差別をなくすため、運動をしないと差別がなくならない、差別を後世に残さないなど、差別に関する記述が多い。逆に、辞めたい理由としては、寝た子を起こすようなことはしない方がよいという理由や、高齢であることをあげる人が目立つ。
若い世代に部落解放運動を担ってもらいたいかどうかについては、「わからない」が4割と最も割合が高く、「担ってもらいたいと思う」は4分の1強である。担ってもらいたい理由は、差別に関する記述がほとんどであり、差別がなくなるまで、運動をやめると差別が悪化するから、先輩たちの活動を無駄にしないために、差別に負けない人を育てたい、などである。担ってもらいたいと思わない理由としては、寝た子を起こすようなことはしない方がよいという意見のほか、私たちの世代で終わりにしたい、わざわざ若い世代に引きずってもらいたくない、などである。特徴的なのは、同盟員を今後も続けたい、若い世代に今後も運動を担ってもらいたいと思う割合は、部落出身であると自己認知している層、被差別体験がある層で高いことである。
部落解放運動についての要望や意見については、これまでの取り組みへの感謝、これからも頑張って運動を続けて欲しい、差別への対応のため同盟は必要だ、などの(1)解放同盟に対する感謝・激励、差別をなくすための方法に関する記述や、差別の実態に対する学習の希望などの(2)さまざまな要望、解放同盟の必要性を感じない、などの(3)否定的な意見があげられる。ここであげられた意見・要望を積極的に取り入れ、さまざまな活動の発展が求められる。
(文責:内田龍史)
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