1999年9月に自民・自由・公明の三党合意をうけ2000年3月に総理大臣の私的諮問機関として設置された教育改革国民会議の最終報告(2000.12.22)について、その特徴と問題点が説明された。
教育改革国民会議は、かつて中曽根首相の諮問機関であった臨教審が設置法に基づきかつ「教育基本法にのっとり」と明記するとともにメンバーについても国会にかけ承認した人々で構成していたのと比べ、メンバーの2/3が総理側の人々で構成されていることからも私的諮問機関の域を出ていない。
「教育改革国民会議報告―教育を変える17の提案」は、
- 私たちの目指す教育改革
- 人間性豊かな日本人を育成する
- 一人ひとりの才能を伸ばし、創造性に富む人間を育成する
- 新しい時代に新しい学校づくりを
- 教育施策の総合的推進のための教育振興基本計画を
の5項目で構成されている。
(詳しくは、http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/houkoku/1222report.html)
日教組としては、この改革に対して‡@「危機に瀕する日本の教育」という捉え方は一面的である、‡A社会の構造的な変化のなかでどのような社会をつくりあげていくのかの展望が示されていない、という捉え方をしている。
その問題点として、‡@子ども観・教育観に関する問題。奉仕活動をめぐる論議や「問題を起こす子ども」への教育、道徳教育を教科とする提案に現れているように主体的に社会に参画していく人間を育む姿勢が見られない。‡A教育改革を考える際の基本的な視点。「リーダー教育」や大学飛び入学の拡大・入学年齢制限の撤廃など市場原理主義による規制緩和をすべて是として社会の不平等や階層間格差を拡大する方向で描かれている。‡B教職員に関すること。教職員が地域住民とともに学校を改革・開放・共有するという重要な課題を無視し、教育専門家批判や配置換え、指導力不足等の評価の導入に対して客観的な基準や手続きの透明化などの問題がある。
教育国民会議は「教育基本法」を「改正」することを前提に論議が進められており、専門家を基本的に排除し文部省関係審議会との整合性もとらずに審議してきたという大きな問題点がある。
日教組は「21世紀の公教育を考える委員会」を発足させ、21世紀の公教育の役割・制度を含む学校教育のあり方などを検討している。