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ダーバン「宣言」・「行動計画」の普及・具体化と「人権教育の国連10年」行動計画、人権条例の制定・具体化で

人権の21世紀の創造を!
-世界人権宣言大阪連絡会議第19回総会開催-

世界人権宣言大阪連絡会議は4月16日(火)、大阪市立浪速人権文化センターにおいて、第19回総会を開催しました。総会では、約330名の参加のもと、2001年度の活動報告、2002年度の活動方針、総会決議などが採択されました。

◆2001年度活動報告の柱は以下の6点です。                         

  1. 国連反人種主義・差別撤廃世界会議にちなんだ取組み
  2. 「人権教育のための国連10年」推進のための取り組み
  3. 世界人権宣言53周年の取り組み
  4. 部落差別撤廃・人権条例や宣言制定の拡大の呼びかけ
  5. 国際人権規約連続学習会の開催
  6. 広報活動
    1. 統一ポスターの作製
    2. ニュースの発行
    3. 日本の部落差別・インドのダリット(被差別カースト)差別を解説した写真パネル展の開催

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以上の活動報告を受け、部落解放同盟中城支部の荒木さんより、昨年11月の1週間、茨木市・茨木市教育委員会との共催で茨木市のSATYにおいて日本の部落差別、インドのダリットのパネル展を開催したことについて、

「週末に人が多く集う場所で展示したことは、非常に有意義であった」との報告がありました。

◆2002年度活動方針は次の10点を柱としています。

1.「反人種主義・差別撤廃世界会議」を踏まえた取り組み

  1. ダーバン2001で採択されたNGOと政府間の「宣言」と「行動計画」の普及・宣伝に取り組むとともに実施を求めていく。
  2. ダーバン2001に向けて作成された日本の部落差別とインドのダリットに対する差別に関するパネル展の開催を各方面に働きかけていく。

2.「人権教育のための国連10年」を推進する取り組み

  1. 大阪連絡会議独自の取り組みを継続するとともに、大阪府、大阪市をはじめとする自治体に対して推進本部の充実、後期行動計画の策定・具体化を働きかけることを通じて「2002年で8年目を迎えた「国連10年」の一層の具体化と充実を求めていく。
  2. 大阪連絡会議の加盟団体、地域連絡会議、大学においても、「国連10年」の取り組みの中間見直し・後期行動計画の策定・具体化を要請していくなど、「10年」をさらに推し進めていく。
  3. 地域連絡会議等を中心に府内すべての市町村において行動計画が策定されるとともに、後期行動計画の策定・具体化が行なわれるよう働きかけを行っていく。
  4. 企業・職場や各学校、および社会教育、生涯学習の場における「10年」の取り組みを求めていく。
  5. マス・メディア、宗教関係者、議員、法曹関係者、警察官など社会的に影響力のある特定職業従事者に対する「10年」の取り組みを求めていく。
  6. 被差別者の中での「10年」の取り組みを推進し、エンパワメントを図っていく。
  7. 「人権教育のための第2次国連10年」が実施されるよう、関係各方面へ要請に取り組む。

3.「人権教育・啓発推進法」の具体化を推進していく

  1. 「人権教育・啓発推進法」が制定されたことを大々的に宣伝すること。
  2. 大阪府内のすべての自治体に対して人権教育・啓発を推進するための体制を確立し、計画を策定することを求めていくこと。
  3. 保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、大学院等全ての教育機関で人権教育をカリキュラムの中に明確に位置づけることを求めていくこと。
  4. 企業や宗教団体、マスコミや法曹関係者の中での人権教育の推進を求めていくこと。
  5. 教員や公務員、警察官や検察官、福祉や医療関係職員など人権との関わりの深い特定職業従事者に対する人権教育の一層の推進を求めていくこと。
  6. 隣保館や公民館などを拡充し地域に密着した人権教育・啓発センターを整備することと、人権教育・啓発を推進していくための資格を持ったリーダーの養成を求めていくこと。
  7. 「人権教育・啓発推進法」(付帯決議を含む)を英語(翻訳済)、韓国・朝鮮語(翻訳済)、中国語等に翻訳し、国内外に紹介することを求めていくこと。

4.人権侵害に対する「規制・救済法」の制定を求めていく

5.すべての市町村での「部落差別撤廃・人権擁護条例」の制定を求めていく

6.国内の諸問題の解決に向けた取り組みを続けていく

  1. 部落解放基本法、先住民族としての権利を認めたアイヌ新法、ならびに在日韓国・朝鮮人をはじめとする永住外国人の地方選挙権を保障する法律の制定など在日外国人の人権を擁護するための働きかけや法整備を求めていく。
  2. 「改正男女雇用機会均等法」や「障害者基本法」、「児童買春・児童ポルノ禁止法」、「児童虐待防止法」、「ストーカー規制法」などの充実・具体化、さらには女性や婚外子、障害者等に対する差別的な法制度の改正を求めていく。
  3. 「男女共同参画社会基本法」の具体化として、大阪での「男女平等参画推進条例」の制定・具体化を求めていく。
  4. 2000年4月から施行されている介護保険法の実施に関して、「すべての世代のための社会をめざして」がテーマであった99年の国際高齢者年で提唱されていたように、
  5. 在日韓国・朝鮮人の高齢者を含めた高齢者の「自立・参加・ケア・自己実現・尊厳」を実現してくよう関係方面に働きかけていく。

7.国連を始めとした国際的な人権基準を活用した取り組みを強化していく

  1. 人種差別撤廃条約の完全実施を求めていく。
  2. 国際人権規約(社会権規約、自由権規約)の完全実施を求めていく。
    1. 社会権規約の完全実施
    2. 国連自由権規約委員会が、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)の第4回日本政府報告書を審査し、98年11月に発表した最終見解での数多くの勧告を、
    3. 日本政府が国内で確実に履行していくことを引き続き求めていく。また、2002年10月を目途に第5回定期報告書の提出が求められているが、NGOとの協議を踏まえ期日までに報告書を提出することを求めていく。
  3. 子どもの権利条約、女性差別撤廃条約の実施を求めた取り組み。
  4. 拷問等禁止条約の実施を図る。
  5. 未締結の人権諸条約の早期締結を求めた取り組み。

8. 全国水平社創立80周年を記念した取り組み

  1. 80周年を記念した出版物の紹介に取り組む。
  2. 80周年を記念した講座等の開催と紹介に取り組む。
  3. 部落差別を紹介したパネル展の各方面での積極的な開催を働きかけていく。

9.世界人権宣言54周年にちなんだ取り組み

10. 啓発・広報の取り組み

  1. 国際人権規約連続学習会の開催と充実 
  2. 『世界人権宣言大阪連絡会議ニュース』の発行と内容の充実
  3. 憲法週間と人権週間のポスター制作
  4. 部落問題&インドのダリット(被差別カースト)問題を解説した写真パネル集の展示会開催を呼びかける

11.国際交流および他団体との協力

  1. 反差別国際運動(IMADR)、反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)との連携強化
    1. 今年は、大阪で第11回ヒューマンライツセミナーが開催される年。大阪連絡会議としても、この実行委員会に参加し集会の成功に協力していく。
    2. 今年は11月に、反差別国際運動(IMADR)の理事会・総会が日本で開催される。この機会に参加される理事を招いた講演会の企画などを各方面に呼びかける。
  2. アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)との連携強化
  3. 大阪人権博物館(リバティおおさか)、大阪国際平和センター(ピースおおさか)との連携強化

12.大阪連絡会議の組織の強化

  1. 大阪連絡会議の組織強化に努める。
  2. 出版収入、連続学習会収入等の事業収入の拡大を図り財政基盤の強化に取り組む。

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以上の活動方針の提案を受けて、会場から意見や報告が出されました。

  1. ヒューライツ大阪の藤本伸樹さん:2つ提案したい。1つは、「反人種主義・差別撤廃世界会議」の成果として「宣言」「行動計画」の日本語に翻訳し、またホームページなどで普及していくが、同時にこれらの実施を政府に求めていくのが重要であり、施策として実施されていくかどうかをモニターしていくことが市民社会、NGO、行政そして世界人権宣言大阪連絡会議の大切な役割であることを踏まえて取り組むべきであること。ヒューライツ大阪では世界会議に関するカラーパネル・冊子を作成した。これらをぜひ色々な場で活用してほしい。もう1つは、最重要課題である「国連10年」における取り組みについて。ヒューライツ大阪は従来よりアジアでの人権教育に力を入れてきた。今回も国連人権委員会に2名を派遣するなどしており、今後も国際人権規約連続学習会などにそれらについて盛り込んでいただくなど協力していきたい。
  2. 解放共闘女性連絡会議の東裕子さん:2002年3月に制定された大阪府の「男女共同参画推進条例」に関して。今までに条例案を提出するなど、私たちが求めてきたものと比べると不充分な部分もある。一方で「事業者の責務」が求められているなど評価できる点も見られる。今後、大阪府を上回る内容の条例がでできるように各市町村でも取り組みをしていただきたい。
  3. NPOダッシュの廣瀬聡さん:人権文化が地域にどう浸透していくかがこれからの課題であり、世界人権宣言大阪連絡会議に人権文化を担うNGO,NPOといった市民団体のネットワークづくりをしていってもらいたい。提案として、「国連10年」があと3年であることから、国連10年について検討する会を作るなどして大阪連絡会議としての役割を期待したい。また、人権という観点から市民団体をどう支援していくかを検討してほしい。

以上3名の意見に対し、友永事務局長が答弁を行いました。

まず、1.について、活動方針「ダーバン2001年で採択されたNGOと政府間の『宣言』と『行動計画』の普及・宣伝に取り組む」に関して、さらに「実施を求めていく」を文章として補強したいと思う。また「国連10年」にちなんだ取り組みについても、「第2次国連10年の実施」についてヒューライツ大阪と連携しながら取り組んでいきたい。

2.について、各市町村の男女共同参画条例の制定状況について新しい情報があればぜひ事務局に連絡してほしい。また制定された条例についても学習会で取り上げていく予定である。

3.について、活動方針の中でもNGOとの連携を強めていくとあるが、世人大の活動実態はうすく、広いものであるために、伝えていく上で限界がある。しかし今後、「国連10年」の第1次について成果と課題を意見交換する場を設け、きちんとNGO・NPOと議論する場を持つことが考えられる。また引き続き月1回のニュースで各団体の活動紹介を盛り込んでいく。

総会の最後には、総会決議が提案され、満場一致の拍手で採択されました。

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世界人権宣言大阪連絡会議第19回総会決議

 2001年は、21世紀冒頭の年でした。この年こそ「人権の21世紀」にふさわしい幕開けとなることが期待されていました。けれども9月11日に、「同時多発テロ」が生じてしまいました。理由がいかなるものであれ、このような行為は許されるものではありません。テロの関係者は、法律や条約に基づいて厳正に裁かれなければなりません。その後アメリカのブッシュ政権等は、武力でアフガニスタンを攻撃、多くのアフガニスタンの民衆まで殺傷し、家屋等を破壊してしまったことも承認することはできません。また、パレスチナでは、イスラエルのシャロン政権が国連決議を無視してパレスチナの民衆に対する武力攻撃を強化しています。

こうして、世界の平和が著しく脅かされてきているといわねばなりません。こういう時期だからこそ、「差別の撤廃と人権の確立こそ恒久平和への道である」という世界人権宣言の基本精神に立ち返り、その実現に向けた取り組みを強化することが求められています。

 その点では、昨年8月から9月にかけて国連主催で南アフリカのダーバンで開催された反人種主義・差別撤廃世界会議は重要な意義をもっています。NGOや政府間会議において採択された「宣言」や「行動計画」の普及・宣伝と具体化が求められています。

 一方、日本の国内をみたとき、不況の長期化、相次ぐ企業の倒産、将来性の不安を背景にした消費の縮小のもとにデフレスパイラルが進行しています。この結果、失業者が戦後最高を更新し続けており、野宿生活者の増大や家庭崩壊が進行しています。このような経済社会状況下で、「人の命を軽視する傾向」が続いており、相次ぐ児童虐待や野宿生活者に対する襲撃事件にそのことが象徴されています。

上述したような国内外の厳しい平和と人権をめぐる状況を見たとき、大阪連絡会議にかけられている使命は重大なものがあります。

 「人権教育のための国連10年」も8年目に入りました。2000年12月に公布・施行された「人権教育・啓発推進法」に基づく基本計画も各方面で策定されつつあります。現在開会されている第154通常国会では、新しく人権委員会を設置するための「人権擁護法」に関する審議が行われています。これらの基本計画や人権委員会が、真に日本に存在している差別や人権侵害を撤廃するものとなることが求められています。

 以上の情勢分析を踏まえ、今年一年間、以下の課題を積極的に取り組んでいきます。

一.「反人種主義・差別撤廃世界会議」を踏まえた取り組みを実施する。

一.あらゆる分野で「人権教育のための国連10年」を推進する。

    1. 国レベルでの「10年」推進本部の充実、行動計画の推進状況の取りまとめ(2000年)に基づく今後の課題の具体的実施。
    2. 地方自治体での「10年」推進本部の充実、後期行動計画の策定・具体化。
    3. 企業・職場や各学校、社会教育、および生涯学習における「10年」の推進。
    4. マスコミ、宗教関係者、議員、法曹関係者、警察官など社会的に影響力のある職業従事者に対する「10年」の取り組みの推進。
    5. 被差別者の中での「10年」の取り組みを推進し、エンパワメントを図る。
    6. 「人権教育のための第2次国連10年」が取り組まれるための関係各方面への要請。

一.「人権教育・啓発推進法」の具体化を推進していく。

一.人権侵害に対する「規制・救済法」の制定を求めていく。

一.国内の諸問題の解決に向けた取り組みを続けていく。

一.全ての市町村での「部落差別撤廃・人権条例」の制定と具体化を求めていく。

一.部落出身者、在日韓国・朝鮮人を始めとする外国人、アイヌ民族、障害者、女性、婚外子、HIV感染者などの人権を擁護するための施策と法整備を求めていく。

一.国連を始めとした国際的な人権基準を活用した取り組みを実施する。

    1. 国際人権規約、人種差別撤廃条約、子どもの権利条約、女性差別撤廃条約など日本が締結した人権条約の具体的実施を求めていく。
    2. 就職差別を禁止した「ILO111号条約」、「自由権規約の第1選択議定書(個人からの訴えを認めた条約)」、「同第2選択議定書(死刑廃止を求めた条約)」、「女性差別撤廃条約の選択議定書
    3. (個人等からの訴えを認めた条約)」など日本が未締結の人権諸条約の早期批准を求めていく。

一.全国水平社創立80周年を記念した取り組みを実施していく。

一.人権の確立、平和の擁護をめざす国際機関、政府、地方自治体、民間団体、および市民との連携の強化を図る。

今年で結成19周年を迎える世界人権宣言大阪連絡会議に参画している私たちは、人権文化を構築するための一員として自覚をもち、この1年間、地域、職場、学校、家庭、

団体内で世界人権宣言の精神と「人権教育のための国連10年」具体化のため、全力を挙げて取り組んでいくことを決議します。

2002年4月16日

世界人権宣言大阪連絡会議第19回総会参加者一同