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人権教育のための国連10年(1995-2004)を総括し、第2次の10年が取り組まれるよう世論を盛り上げていこう!

世界人権宣言大阪連絡会議第20回総会が開催されました



世界人権宣言55周年を記念し、「差別の撤廃と人権確立が恒久平和実現への道である」との基本精神を広め、実現していこう!



 世界人権宣言大阪連絡会議は4月16日(水)、大阪市立浪速人権文化センターにおいて、第20回総会を開催しました。総会では、約340名の参加のもと、2002年度の活動報告、2003年度の活動方針、総会決議などが採択されました。

◆2002年度活動報告は次の8点を柱としています◆

  1. 国連反人種主義・差別撤廃世界会議・水平社80周年を踏まえた取り組み
  2. 「差別禁止法」をテーマにした第11回ヒューマンライツセミナーの取り組み
  3. 国内人権機関をテーマにした世界人権宣言54周年の取り組み
  4. 「人権教育のための国連10年」・「国連識字の10年」推進のための取り組み
  5. 部落差別撤廃・人権条例や宣言、男女共同参画推進条例制定の拡大の呼びかけ
  6. 国際人権規約連続学習会の開催
  7. 広報活動
    (1) 統一ポスターの作成  (2)  ニュースの発行
  8. その他の活動
    (1)「マイマイフェスティバル2002」を後援 

◆2003年度活動方針は次の10点を柱としています◆

  1. 「人権教育のための国連10年(1995年〜2004年)」の取り組みの総括と第2次の10年にむけた提言
    1. 世界人権宣言55周年記念集会のテーマとするとともに、年間を通じて準備を進める。
    2. 大阪府内の全自治体で「行動計画」が策定されたことに鑑み、各自治体独自の経験をふまえた交流を促進する。
      1. 各方面で第1次「10年」を総括し、第2次「10年」の必要性について世論を盛り上げる。
      2. 2003年より開始された「国連識字の10年」とも関連付けた取り組みを模索する。
  2. 世界人権宣言55周年にちなんだ取り組み
  3. 人権擁護法案の抜本修正を求める取り組みの継続
  4. 国際人権基準の実施促進
    1. 日本における条約の履行状況を審査した各条約委員会が採択した最終見解に含まれる勧告を、政府が実施するよう求めていく。
    2. 各条約委員会に提出する、条約の履行状況を政府が報告書にまとめる際には、NGO等との実質的な協議を踏まえ、また定められた期限内に報告書の作成が行われるよう政府に働きかけていくと同時に、報告書の作成に参画していく。
    3. NGO等によるカウンターレポートの作成に参加・協力していく。
    4. 未批准の人権諸条約が早期に締結されるよう、また留保が撤回されるよう政府に働きかけていく。
    5. 人権に関する国際会議をフォローし、世界人権宣言大阪連絡会議ニュース等で情報を発信していく。
    6. 市民が国際人権条約を身近に感じ、使いこなせるように、この分野を国際人権規約連続学習会のテーマに取り入れていく。

  5. 人権の保護と促進に関する条例や法律の制定、具体化を求めていく。
    (地域レベル) 
       部落差別撤廃・人権条例、人権尊重の社会づくり条例、男女共同参画推進条例、定住外国人の地方自治への参画を保障する条例など
    (国レベル) 
    1. 独立性と実効性を備えた国内人権機関の設置のための人権擁護法案の抜本修正
    2. 高齢者の尊厳と権利の保護や先住民族としての権利を認めたアイヌ新法の制定
    3. 人権教育・啓発推進法、改正男女雇用機会均等法、障害者基本法、児童買春・児童ポルノ禁止法、児童虐待防止法、ストーカー規制法、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV法)、ホームレス自立支援法などの充実と具体化
    4. 女性や婚外子、障害者等に対する差別的な法制度の改正と差別禁止法の制定

  6. 国際人権規約連続学習会
    1. 2003年度は新しく、2〜3ケ月を1サイクルとして、その間のテーマには連続性をもたせた構成を試験的に導入する。
    2. 昨年にひきつづき、各加盟団体や地域連絡会議、大学において、連続学習会を人権教育・啓発リーダー養成の一環として位置づけて、担当者を恒常的に派遣していただくよう要請していく。
    3. 各加盟団体の事情や要望を理解した上での要請とするため、運営方法や構成についての意見交換をするための場の設置を検討していく。
    4. 連続学習会が、報告を希望する個人や組織に開かれた場であり、ネットワーク形成の機会を提供する場となるよう、広報に今まで以上の工夫をしていく。
      *予定テーマ群:
      A)人権教育−1年を通じて取り上げる。
      B)子どもの権利、女性の権利
      C)司法制度改革、公権力による人権侵害
      D)社会保障、高齢者社会,失業,ホームレス,福祉    

  7. 関係団体との協力
    1. 反差別国際運動(IMADR)、反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)、アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)、大阪人権博物館(リバティおおさか)、大阪国際平和センター(ピースおおさか)、部落解放・人権研究所等との連携に努め、情報の収集や共有、より広範な層への活動の周知を模索していく。

  8. 情報発信・啓発
    1. 毎月、『ニュース』の発行と充実
    2. 憲法週間、人権週間ポスター製作
      ・部落問題とインドのダリット(被差別カースト)に対する差別を解説した写真パネルの展示会開催を引き続き呼びかける
      ・朝鮮の被差別民「白丁」と衡平運動のパネル開催を呼びかける

    • 加盟団体の国際交流の促進
      衡平社創立80周年にちなんだ「韓国人権ツアー(主催:部落解放・人権研究所)」に代表を派遣するとともに加盟団体からの参加を呼びかける。

    • 大阪連絡会議の組織の強化・拡大
      1. 新規の加盟団体、大学の拡大
      2. 地域連絡会議の未結成地域での組織化
      3. すでに加盟している団体、大学、地域連絡会議による活動への活性化およびネットワークの強化
      4. 人権NGO、草の根NGO等との連携を強める
      5. 女性の参加を促進
      6. 出版収入、連続学習会収入等の事業収入の拡大を図り財政基盤の強化

    以上、活動方針の提案を受けての会場から報告や意見。

    1. 民族教育促進協議会の金光敏さん・・・連絡会議の活動方針(5)に掲げてある条例や法律の制定の具体化を求めていくことに関連した希望・要望について。

      2002年度は在日朝鮮人にとって大変な年となった。拉致問題と関連して在日朝鮮人の家庭に100通もの差別投書が送られるなどひどい状況にある。また内閣府が行った「人権擁護に関する世論調査」によると、外国人との共生に取り組むと答えた住民回答のポイントは下がっており、定住外国人の人権が危惧される状態にあることが載せられていた。当連絡会議ではぜひ地方自治体レベル、国レベルにおいて在日外国人の共生に関わる政策提言に対して取り組んでほしい。またインターナショナルスクールには認められて定住外国人が通う朝鮮学校、中華学校などへは大学入学資格が認められず排除されたという問題についても取り組んでもらいたい。抜本的な外国住民の共生に関わる「違いを維持しながら」生きていける社会の実現に向けた政策提言を行なってもらいたい。


    2. 世界人権宣言東大阪連絡会議の御館さん・・・人権教育のための国連10年の第2次に向けた活動に関連して。

      人権教育のための国連10年東大阪市行動計画は今年3月25日に策定された。2004年に現在の国連10年が終了する時期に策定されたものであるため、他の自治体とは異なる特徴がある。一つは実施期間を策定から10年としていること。次に「2005年以後に第2次人権教育のための国連10年が実現するよう関係機関に働きかけていく」という一文が含まれていることである。これは当連絡会議の今年度の活動方針とも合致するものだ。これまで各方面で積み上げてこられた取り組みが2004年までに途絶えてしまうことのないように継続し、それ以降の活動を東大阪市としても前向きに取り組んでいくことについては、大阪連絡会議の活動方針と同じ意見であることを表明したい。

    3. 豊中市人権啓発課の阪口さん・・・世界人権宣言55周年の取り組み(案)に関連して。

      国連、フィリピン、NGO、企業関係者を海外ゲストで呼ぶことは大変魅力的である。しかし一連絡会議として、地域NGOなどが行っている具体的な取り組みの話を聞ければと思う。また教育・啓発に限らず、ローカルなところで人権を守る、また守られているシステムについて考えていける機会になればいいのではと思う。


    以上3名の意見・要望に対する友永事務局長の答弁。

    1.について・・・在日コリアンに対して嫌がらせ、脅迫には胸を痛めている。当連絡会議としても取り上げていきたい。人権教育の10年の取り組みの柱に第1次を総括と第2次の提言を考えており、その重要な1つが在日外国人との共生である。そこをきちんと位置づけて対応していきたい。また、条例の具体化の発言について。大阪府には人権の社会づくり条例がある。この条例の柱の中に在日外国人との共生を重点的に考えていくことが打ち出されている。これが実現されるよう働きかけていくことが可能であろうかと思う。

    2.について・・・力強く受けてとめさせてもらった。東大阪市の行動計画は2003年からの10年を国連の10年として位置づけ、第2次の働きかけについても文章が盛り込まれたということなので、ぜひ早急に東大阪市のそれらの行動計画の特徴について、また国連としても第2次の10年が取り組まれるような要請文を国連人権高等弁務官事務所に送ってほしい。そいうった行動によってかなり大きな効果が生まれると思う。

    3.について・・・せっかく海外ゲスト5名を招いての集会となるよう考えているため、色々な方面に出かけてもらい、地域、各団体とも海外ゲストと交流してもらう、ゲストが持っているノウハウなどを拝聴させてもらえる仕組みを作っていきたい。現在企業における人権教育に関わるゲストを招いて毎年全国の企業が集まり人権集会を行っているとのことで全国同企連と相談を始めている。受け入れを考えると、ゲストの詳細についてはできるだけ早くみなさんに知らせたいと思う。受け入れする際に判断してもらいやすいと思う。6月、遅くとも7月末にはゲストを確定し、ゲストのプロフィールを紹介していきたい。時期設定としては12月10日がメイン集会となるため、前後の1週間ぐらいを日程設定として配慮いただきたい。

    総会の最後には、総会決議が提案され、満場一致で採択されました。


    世界人権宣言大阪連絡会議第20回総会決議

    本年は、世界人権宣言が国連で採択されて55周年という記念すべき年にあたる。

     周知のように、この宣言は、第2次世界大戦の反省の中から生み出されたもので「差別を撤廃し人権を確立することが恒久平和の実現に通じる」ことを基本精神としている。この考え方は、日本国憲法の基本精神と軌を一にしている。

     一昨年の「9・11同時多発テロ」以降の世界と日本の情勢を見たとき、世界人権宣言や日本国憲法の基本精神の実現をめざした活動を強化していくことは、極めて重要である。

     人権文化を世界中に築くことを目的とした「人権教育のための国連10年」も、今年で9年目に入った。この間、国連をはじめとした国際機関、国際地域機関、各国、自治体、民間団体等で各種の取り組みが実施され、一定の成果を上げてきている。

     日本においては、国のレベルで推進本部が設置され、行動計画が策定されている。地方レベルでは、500を越す自治体によって推進本部の設置、行動計画の策定が進んできている。大阪においては、大阪府、大阪市をはじめすべての自治体で推進本部の設置、行動計画の策定が行われている。また人権教育および人権啓発の推進に関する法律が施行され、基本計画が策定されている。

     しかしながら、世界では民族紛争は後を絶たず、多くの人々の反対にもかかわらず「イラク戦争」が引き起こされているし、日本においても自殺者や失業者が増大し悪質な差別事件や人権侵害も後を絶っていない。

     このため、「10年」にちなんだ取り組みを総括し、人権文化の実現に向けた今後の方向、とりわけ第2次「10年」の方向を明らかにしていくことが求められている。現在開かれている国連人権委員会で各方面から第2次「10年」への取り組みが提案されていることを歓迎するとともに、第1次「10年」の総括を踏まえ、第2次「10年」が実施されることを強く求めるものである。このため、われわれも積極的に提言していきたいと考えている。折しも本年から、「国連識字の10年」もスタートしており、この取り組みと連動させていくことも求められている。

     昨年の人権週間でテーマとして取り上げた人権擁護法案は、現在開会中の第156通常国会で継続審議となっている。この法律が国内人権機関の設置に関する原則(パリ原則)を踏まえ、独立性と実効性を備えた人権委員会の設置を盛りこみ、真に差別撤廃と人権侵害の救済に役立ち、国際的にも評価されるものとなるよう抜本修正を求めていく必要がある。

    以上の基本的な認識を踏まえ、今年1年間以下の課題に積極的に取り組んでいく。

    一.「人権教育のための国連10年(1995年〜2004年)」の取り組みの総括と第2次の10年にむけた提言をしていく。

    一.世界人権宣言55周年にちなんだ取り組みに「人権教育のための国連10年」の評価と第2次の10年にむけた提言を連動させていく。

    一.人権擁護法案の抜本修正を求める取り組みを継続していく。

    一.国際人権基準の実施を促進していく。

    一.人権の保護と促進に関する条例や法律の制定、具体化を求めていく。

    一.教育・啓発活動を継続し、情報発信やネットワークの構築においても機能を高めていく。

    一.人権の確立、平和の擁護をめざす国際機関、政府、地方自治体、民間団体、および市民との連携の強化を図る。


    今年で結成20周年を迎える世界人権宣言大阪連絡会議に参画しているわれわれは、人権文化を構築するための一員として自覚をもち、この1年間、地域、職場、学校、家庭、団体内で世界人権宣言の精神と「人権教育のための国連10年」具体化のため、全力を挙げて取り組んでいくことを決議する。


    2003年4月16日
    世界人権宣言大阪連絡会議第20回総会