本年は、人類に多大な惨禍をもたらした第2次世界大戦が終結して60年という節目の年にあたります。この反省の中から1948年12月10日、国連の第3回総会は、「差別を撤廃し人権を守ることが恒久平和を実現することに通じる」という考え方を基本理念とした世界人権宣言を採択しました。
この宣言が採択されて57年目を迎え、本日私たちは、日本・大阪の地で「職業と世系に基づく差別の撤廃をめざして」をテーマに集会を開催しました。この集会の中で、日本の部落差別、インドのダリット差別、さらにはセネガルやモーリタニヤなどアフリカのいくつかの国においても存在している同様の差別について学ぶことができました。これらの差別は、いずれもそれぞれの国の中で長年に及ぶ差別の歴史があり、深く社会に根ざした問題です。
こうした差別を撤廃するために、これまで、それぞれの国の中でさまざまな取り組みが積み重ねられ、一定の成果を上げてきていますが、未だに深刻な差別の実態があります。このため、近年国連の人種差別撤廃委員会や人権促進保護小委員会(人権小委員会)などが、これらの問題を「世系」もしくは「職業と世系」に基づく差別(以下「職業と世系に基づく差別」と略)と規定し、全世界で少なくとも2億5000万にも及ぶ人々が、この差別の下に呻吟しているとして、この差別撤廃に向けた取り組みを重ねてきています。
私たちは、この取り組みを歓迎するとともに、関係各国政府や自治体がこの差別撤廃に真剣に取り組むこと、また、現在進められている国連改革の作業においても、この問題の解決に向けた取り組みがいっそう重視されること、さらには多国籍企業を含む企業や宗教団体、教育関係者やマスメディア関係者をはじめすべての人々がこの差別撤廃に取り組むことを願い、以下のアピールを行うものです。
一、 各国政府や自治体が、「職業と世系に基づく差別」の実態を明らかにし、こうした差別を撤廃するための法制度の整備、計画の策定と完全実施に取り組むこと。
一、 国連は、国連改革の中に「職業と世系に基づく差別」の撤廃に向けた取り組みを重点課題として位置づけること。とりわけ、経済社会理事会と人権委員会の承認の下、人権小委員会に設置された「職業と世系に基づく差別」を撤廃するための特別報告者の活動継続を保証すること。
一、 多国籍企業を含む企業や宗教団体、教育関係者やマスメディア関係者、さらにはすべての人々が「職業と世系に基づく差別」の撤廃に深い関心を寄せ、この差別の撤廃に取り組むこと。
以上、アピールするものです。