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2006.09.15
大阪のすべての自治体で、「国連10年」の総括と「世界プログラム」を踏まえた人権教育・啓発推進計画などの策定を実現しよう!!

世界人権宣言大阪連絡会議事務局


1, はじめに

  1995年1月から、世界中に人権文化を構築することを目標に取り組まれてきた「人権教育のための国連10年」(「国連10年」)は、一定の成果を上げて2004年12月に終了しました。

  日本においても国のレベルでは、1995年12月に内閣総理大臣を本部長とした推進本部が設置され、1997年7月には国内行動計画が策定されました。また、2000年12月には、人権教育および人権啓発の推進に関する法律(「人権教育・啓発推進法」)が公布・施行され、2002年3月には、人権教育・啓発基本計画が策定されました。さらに、国のレベルでの人権教育・啓発の取り組み状況が、2003年3月以降、毎年「人権教育・啓発白書」として公表されています。

  多くの自治体においても同様に、推進本部が設置され行動計画が策定されていきました。とりわけ、大阪においては、世界人権宣言大阪連絡会議をはじめとした各方面からの働きかけの結果、すべての自治体で推進体制が整備され計画が策定されました。

  この間の取り組みによって一定の成果を上げたものの多くの課題が残されているため国連は、2005年1月以降「人権教育のための世界プログラム」(「世界プログラム」)に取り組んでいます。そして、その第一段階を2007年12月までの3カ年とし、初等・中等学校制度での人権教育の推進に重点を定めています。

  こうした国連の動向を受けて、国のレベルでは、「人権教育・啓発推進法」やこれを受けた人権教育・基本計画に基づき、引き続き人権教育・啓発の推進に取り組むこととされています。とりわけ、「世界プログラム」を受けた初等・中等学校制度での人権教育の推進については、文部科学省のもとに設置された人権教育の指導方法等に関する調査研究会議が「人権教育の指導方法等の在り方について」(第一次、第二次)をとりまとめ、各学校等に配布されています。

  自治体レベルでも、「国連10年」の総括を踏まえ、「世界プログラム」を受けた取り組みが開始されていますが、世界人権宣言大阪連絡会議では、引き続き大阪におけるすべての自治体で人権教育・啓発が計画的に推進されるよう働きかけを実施してきています。

  その取り組みの一環として、本年8月8日時点で、大阪の自治体の取り組み状況についてアンケート調査を実施しました。その結果を以下に報告します。

2,人権教育・啓発に関する新たな計画の策定状況等について

(1)新たな計画の策定状況

  「国連10年」の終了、「世界プログラム」の開始に伴い、大阪においても新たな計画を策定する自治体が増えてきています。
  その概要は、以下のように分類することができます。

1.新たな計画を策定したところ:15市

大阪府 大阪府人権教育推進計画
大阪市 大阪市人権教育・啓発推進計画
豊中市 豊中市人権教育・啓発基本計画(2004年6月改訂)
池田市 池田市人権教育推進プラン
吹田市 吹田市人権施策基本方針
高槻市 人権施策を総合的に推進するための高槻市行動計画
茨木市 茨木市人権施策推進基本方針
箕面市 箕面市人権のまち推進基本方針
枚方市 枚方市人権教育・啓発基本計画
大東市 大東市人権行政基本方針
門真市 門真市人権教育・人権啓発推進基本計画
八尾市 八尾市人権教育・啓発プラン
藤井寺市 藤井寺市人権教育・啓発のための推進プログラム
堺市 堺市人権施策推進計画
貝塚市 貝塚市人権行政基本方針
泉佐野市 泉佐野市人権教育推進計画

(注1) 新たな計画を策定したところの計画の内容を分析したとき、人権教育・啓発に関する独自の計画を策定した自治体(たとえば、大阪府、大阪市等)、人権施策基本方針や人権行政基本方針等の一部に人権教育・啓発を盛り込んだ自治体(例えば、吹田市や高槻市など)に分類することができます。

(注2) 人権施策基本方針や人権行政基本方針等の一部に人権教育・啓発を盛り込んだ自治体においては、これを受けた人権教育・啓発を推進していくための独自の計画の策定が望まれます。

2. 2006年度中に計画を策定する予定の自治体:5市2町(内、3市はすでに計画案あり)

守口市 守口市人権行政基本方針(仮称)
松原市 松原市人権施策基本計画(仮称)
泉大津市 泉大津市人権教育推進計画(案)
交野市 名称未定
大阪狭山市 名称未定
河南町 名称未定
田尻町 名称未定

3. 2007年度に計画を策定する予定の自治体:

  6市6町  富田林市、河内長野市、柏原市、和泉市、高石市、阪南市、太子町、島本町、豊能町、忠岡町、熊取町、岬町

4. 未定:4市1村  寝屋川市、羽曳野市、岸和田市、泉南市、千早赤阪村

  (注<1>)これらの未定の自治体においても、計画の策定が求められています。

5.「国連10年」の行動計画が継続中の自治体:3市1町  摂津市(-2007年7月)、四條畷市(-2010年)、  能勢町(-2009年)、東大阪市(-2012年4月)

(2)計画の期間について

  計画の期間については、5年または10年の期間を定めている自治体(例えば、大阪府、大阪市など)と、期間を定めていない自治体(例えば、豊中市や池田市など)とに分かれます。この内、期間を定めていない自治体においても、5年程度で計画の見直しが望まれます。【大阪における「人権教育のための国連10年」行動計画の後継計画の策定状況の「計画期間」の欄参照】

(3)計画の根拠について

  多くの自治体において「人権教育・啓発推進法」、「部落差別撤廃・人権条例」が計画の根拠としてあげられています。また、「世界プログラム」にも言及している計画も存在しています。計画策定中、あるいは今後計画を策定する自治体においては、「人権教育・啓発推進法」や「部落差別撤廃・人権条例」等を根拠として位置づけるとともに、「世界プログラム」を踏まえることが望まれます。【大阪における「人権教育のための国連10年」行動計画の後継計画の策定状況の「根拠」の欄参照】

(4)庁内推進体制について

  計画を策定しているところで、その計画を推進していくための庁内推進体制については、池田市を除く自治体で設置されています。なお、推進体制については、人権施策推進本部等人権全般の推進体制で取り組んでいる自治体と人権教育(啓発)推進本部で取り組んでいる自治体とに分かれます。すべての自治体で庁内推進本部が設置される必要があります。【大阪における「人権教育のための国連10年」行動計画の後継計画の策定状況の「推進体制(庁内)」参照】

(5)推進体制(庁外)について

  計画が策定されている自治体での、庁外の専門家や市民、各方面からの参画をえた推進体制の設置状況については、設置されているところと設置されていないところに分かれます。また、庁外の推進体制が設置されているところでは、人権教育(啓発)推進懇話会等人権教育・啓発のための独自の推進体制が設置されているところと、人権施策推進審議会や人権尊重のまちづくり審議会等人権全般の審議会で対応しているところに分かれます。いずれにせよ、庁内だけでなく、広く市民等から計画の実施状況等に対する意見を求める仕組みを設置することが望まれます。【大阪における「人権教育のための国連10年」行動計画の後継計画の策定状況の「推進体制(庁外)」参照】

3,おわりに

  大阪では、「人権教育の10年」に連帯した取り組みがすべての自治体で実施され、一定の成果を上げてきています。しかしながら、児童や高齢者の虐待、セクシャルハラスメントやドメスティックバイオレンスは後を絶ちませんし、在日韓国・朝鮮人をはじめとする在日外国人に対する差別や部落地名総鑑の回収に象徴される部落差別の実態は依然として深刻なものがあります。

  このような深刻な差別の実態を直視したとき、「国連10年」の総括と「世界プログラム」、「人権教育・啓発推進法」や「部落差別撤廃・人権条例」等を踏まえた人権教育・啓発推進計画をすべての自治体で策定し、創意工夫を懲らした取り組みがあらゆる場所で実施される必要があります。このために、大阪連絡会議に参加しておられる各地域連絡会、各団体等のいっそうの取り組みをお願いします。

  なお、アンケート調査結果に誤りがありました場合、恐れ入りますが事務局までご連絡下さい。
(tel06-6568-7337、fax06-6568-0714、eメールudhr@blhrri.org)