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2013.04.03
書籍・ビデオ案内
 
 

私らしくマイノリティを生きる ――女性差別撤廃条約のいま


DVD 2013年作品/20分(全編字幕入り)
企画・制作 人権啓発DVD制作委員会
解説書付き・10,000円+税
ISBN978-4-7592-9048-6 C086

女性差別撤廃条約は世界の憲法です。2009年、部落、沖縄、アイヌ民族、在日コリアンなどマイノリティ女性たちは自分たちの実態を訴えるために国連に行きました。日本政府がマイノリティ女性の実態を国連に報告しなかったためです。この作品では、複合的な差別を乗り越えようとしている当事者の声を紹介します。当事者の声は、私たちに見ようとしなければ見えにくいマイノリティの立場に置かれた人びとへの差別に気づかせ、あわせて女性差別のない社会に向けて立ち上がる勇気を与えてくれます。私たち一人ひとりが見えにくい差別を見つめ、力を合わせて差別をなくす努力をすることによって、日本は多様性を尊重する社会になっていく可能性をもつでしょう。それは同時に、条約の実現を促すエネルギーとなることに他なりません。

★人権教育や男女平等教育用ビジュアル教材として活用できます
★学校、市民啓発、企業研修など多様な場で使うことができます
★対象 中学生以上

主な内容

日常生活にある差別は、見過ごされがちです。オープニングでは、2人の女性が登場し、短く問題提起します。1人は、就職活動を通じて女性に対する根強い偏見に気づいた青戸彩さん(大学院生)。もう1人は育児休業中の森山輝子さんです。森山さんは仕事への復帰を控えて夫の家事・育児への関わりや両立に向けて不安をかかえています。

シングルマザーで生きる 和田なつきさん
和田なつきさんは、高校2年生で妊娠し出産しました。高校は育児をしながら卒業し、今はシングルマザーです。高校を卒業してから働き続け、いまは中学校の介助職員をしています。しかし、収入のほとんどは生活費や奨学金の返済にあてられていますが、実家で両親とともに暮らしているのでやっていけます。
自分の選択に後悔はしていないし、将来は大学にも進学したいと考えている和田さんは、部落の青年として活動にも積極的に参加しています。

性を越えて生きる     茂木あゆむさん
茂木あゆむさんは女の子として生まれましたが、幼い頃から自分の身体に対して違和感を持っていました。特に中学校に入ってからは、男女の違いがはっきりしている制服に反発しましたが、高校では許されませんでした。大人の女性になる嫌悪感に苦しみ、メンタルクリニックでのカウンセリングに5年間通いました。 そして19才の時に、何とか道を切り開こうと家を出てひとり暮らしを始めました。その後、同じような悩みを持つ仲間と出会い、徐々に自分の立ち位置を定めて、現在は男性として養護老人ホームで働いています。

マイノリティの声を政治に届ける 岡井すみよさん
岡井すみよさんは大阪の高槻市役所に27年間勤務しました。主に社会教育、青少年の育成を担当し、やりがいを持って仕事をしてきました。しかし、2010年市役所を退職し、先輩議員や地域の仲間の応援を得て翌年の春に、市議会議員に選出されました。子ども、女性、高齢者、障がい者など少数者の声を政治の場に届けるためです。岡井さんは、部落出身者であると同時に女性として複合差別の問題に関心を持ってきましたが、2009年ニューヨークで開催された女性差別撤廃委員会日本報告書審査にむけたロビーイングに参加しました。

 

マイノリティ女性たち、日本報告書審査の場へ
女性差別撤廃条約を批准すると日本政府は定期的にどのような取り組みをおこなっているか、国連に報告しなくてはなりません。ところが、日本報告書には部落、アイヌ民族、沖縄、在日コリアンなどマイノリティ女性の実態については、何の報告もされてきませんでした。
そこで、マイノリティ女性たちはネットワークをつくり、自分たちがおこなった実態調査の結果を持って、2009年ニューヨークに行きました。女性差別撤廃委員会の委員たちに自分たちの状況を伝えるためです。

 

条約実施を見つめる 林陽子さん
弁護士である林陽子さんは、女性差別撤廃委員会委員として世界の国々が条約をどのようにして実現するのかを国連の場で見つめ、積極的に発言しています。林さんに条約の「いま」(批准国日本の現状と課題)とマイノリティ女性を含めて当事者が立ち上がることの意味を語っていただきます。

 

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