ウチとソト【ウチとソト】

 日本文化において,アメリカの社会学者W.G.サムナーのいう<内集団in group>と<外集団out group>への意識・態度の対比をとらえる通用語。その構成員が献身や愛情,相互承認の対象となり,<われわれ>としてとらえられるとき,その社会組織はその個人にとって<内集団>となり,<ウチ>と意識される。そしてそのシステムの境界の外部(外集団)は<ソト>と意識される。差別とは,ある個人や集団を<ソト>にある存在と位置づけて<ウチ>から排除して遠ざけ,<ウチ>のメンバーである個人や集団とは異なった処遇をすることといえる。日本的思想風土においては,<ウチ>はつねに<家【うち】>と重なりあい癒着し,そのような<ウチ>=<家>が,タテの系列では天皇を家長とする国家にまで,ヨコの系列では本来アソシエーションである職場や学校にまで拡張してしまい,これが日本的差別事象の温床となっている。

*〈田舎者〉差別

参考文献

  • 中野卓「内と外」(相良亨他編『講座 日本思想』3、東京大学出版会,1983)
(鐘ケ江晴彦)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:30 (1354d)