スティグマ【stigma】

 古代ギリシャで奴隷・罪人に押した焼印,烙印のことをスティグマと呼んだのを継承し,現代西欧文化圏では一般に,汚名,恥辱,不名誉,欠点,異常の意味で用いられる。社会学・社会心理学では,日常的に使用されている社会的カテゴリーのうち、とくにそのカテゴリーに属するとされた者の処罰,排除,忌避,統制,監視,治療,教育,保護,憐憫,劣等視が,差別や支配とはみなされず,正当かつ適切な対応とみなされ、奨励,肯定,許容されるようなもののことをいう。

 アメリカの作家ホーソンの『緋文字』は,姦通したために胸に緋色のAの文字をつけさせられた女性のモラル・キャリアを扱った作品として知られているが,このホーソン的主題を社会学化したのがE.ゴッフマンである。彼はスティグマを押された人々,障害者や黒人のアイデンティティ管理や,スティグマを押された人と社会の普通の成員との相互作用における当惑といった問題を微細に分析してみせた。

参考文献

  • E.ゴッフマン『スティグマの社会学』(石黒毅訳,せりか書房,1970)
(石川 准)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:31 (1469d)