デマゴギー【Demagogie】〔独〕

 事実の所在とは無関係に,他者を扇動するために流される宣伝。しばしば悪意と中傷を含む流言【りゅうげん】として現象する。根拠なき宣伝で他者を扇動する人を〈デマゴーグ〉といい,そのような行為を〈デマる〉と日本語使用することもある。オルポートとポストマンはデマの流言性について〈R〜i×a〉という有名な公式を作った。 デマや流言(R)の頻度と分布は,その重要度(i)とその曖昧さ(a)の積だという。コーラスはさらに第4の要因として受け手の批判能力(c)を加え,〈R〜i×a×1/c〉とした。つまり,受け手にとって重要と思われ,しかも事柄の内容があいまいであり,受け手の批判能力が低いほどデマ・流言が浸透しやすいわけである。たとえば部落問題におけるある種の〈物とり主義〉非難や〈ねたみ意識〉宣伝は,その宣伝の意図を見ぬけず部落問題の本質を理解しない一般市民の利害関心を刺激するゆえにデマとして成立し,市民意識を組織する力をもつこともある。

参考文献

  • J.B.ペリーJr,M.D.ピュー『集合行動論』(三上俊治訳,東京創元社,1983)
(八木晃介)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:32 (1294d)