ノーマライゼーション【normalization】(英)【normalisering】(スウェーデン)

 障害者であっても人間として、当たり前に生きるという考え方。〈普通に〉(ノーマルに)という原点から〈ノーマライゼーション〉と名称された。この思想は北欧に起源をもつ。1950年代末、デンマークの知的障害者の親の会を中心に施設環境の改善運動が始まった。これを支持したニルス・E・バンク=ミッケルセンがノーマライゼーションの考え方を提唱。その後、北欧では,障害者,高齢者の分野に共通する思想として発展。1970年代以降,ノーマライゼーションの思想は世界を席巻した。1980年以降,国際障害者年,各国別の行動計画策定等,ノーマライゼーションの実現へ向けて大きなうねりを形成した。障害そのものを治癒,改善するよりも,障害者を取り巻く環境の改善に力点がある。ハンディキャップ(社会的不利)を〈文化的,物理的,社会的障壁によって派生するもの〉として,その解消に向けて〈機会の均等〉が明確に打ち出されている。障害児を地域の普通の学校に就学させる*統合教育、障害者を障害者の視点から支えるピア・カウンセリング、知的障害者が自らを組織し主張する〈ピープル・ファースト〉など、一連の障害者の人権解放闘争として展開。ノーマライゼーションの思想と関連させて,ともすれば,障害のある者も,ない者も〈同じ〉という点が強調されることが多い。これに対し,障害の有無,高齢か若年かといった〈違い〉を意識し,理解することを明確にする視点を強調する人に〈違うことこそバンザイ〉の牧口一二【まきぐちいちじ】らがいる。

参考文献

  • 関宏之「『障害者の自己決定と地方自治体』について考える」(『ノーマライゼーション研究』1997年版)
  • 堀正嗣「ノーマライゼーションを考え直す」(『共生の理論』8号、1987)
  • 中園康夫「ノーマリゼーションの原理の起源とその発展について」(『社会福祉学』22巻2号、1981)
(二文字理明)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:32 (1294d)