バリアフリー【barrier free】

 元来は建築用語で,高齢者や障害者の行動を妨げている建築上の障壁(バリア)を取り除いた(フリー)設計を指す。その後、この考え方が*まちづくりにも及ぼされ,仙台市において1971年(昭和46),車いす利用の障害者とそのボランティアが公共施設を点検して階段のスロープ化や身体障害者用トイレなどの設置を市に要請し,改善に至った。これを契機として,バリアフリーを実現するための〈福祉のまちづくり条例〉が各地方自治体で制定されるようになった(初出「神戸市民の福祉を守る条例」1977年)。これは高齢者や障害者を含むすべての人が社会を構成する一員として自由に行動し,社会・経済・文化など,あらゆる分野の活動に参加する機会を削がれないようにするための施策の一つである。また,そのためにはこのようなハード面の物理的な障壁や制度的な障壁だけでなく,文化・情報面の障壁の除去や、高齢者や障害者など社会の周辺に追いやられている人々に対する市民一人ひとりの心理や意識といったソフト面の障壁の除去が求められている。しかしながら,バリアフリーは障害に対応する特殊なデザインである。さらに一歩進めてユニバーサルデザインとして、一般の不特定多数の人々に対応する概念の中で検討される必要があろう。ユニバーサルデザインとはロナルド・メイス(R.Mace)が提唱したもので,バリアフリー・デザイン,アダプティブ・デザイン(適合デザイン),トランスゼネレーショナル・デザイン(超世代デザイン)の3概念を包括する懸念で,でき得る限り最大限,すべての人に利用可能であるように製品,建物,空間をデザインすることを意味する。バリアフリーが安全性・手に入れやすさ・使い安さを中心とするならば,ユニバーサル・デザインには価格妥当性・持続性などが加わると考えられる。

参考文献

  • 総理府編『障害者白書』平成7年版(1995)
  • 楠敏雄『わかりやすい!障害者基本法』(解放出版社,1995)
(中田智恵海)

トップ   差分 リロード   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:32 (1387d)