逸脱と同調【いつだつとどうちょう】

 逸脱 deviance は,社会的に承認された価値や規範を破ることであり,同調conformityはその反対に,社会的価値や規範に従うことであると考えられてきた。しかしながら,この社会学的概念の対は,いま大きな変更を迫られている。なぜなら従来の定義に従うかぎり,私たちは社会が設定する逸脱や同調の基準を無批判にそのまま受け入れることになるからだ。*ラベリング論【らべりんぐろん】がまずこの見方を打ち破った。逸脱は個人の属性ではなく,社会が個人に貼り付けるレッテルによってつくり出される。そして社会的レッテルが具体的な社会的場面において産出されるプロセスを追求していくと,同調や逸脱自体を構築する人々の社会的・政治的活動が明らかになる。これが社会構築主義 social constructionism の見方である。

参考文献

  • J.I.キッセ・M.B.スペクター『社会問題の構築――ラベリング論をこえて』(村上直之他訳,マルジュ社,1990)
(山田富秋)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:35 (1387d)