国際刑事裁判所【こくさいけいじさいばんしょ】 International Criminal Court

 国際法上犯罪となる行為を訴追し処罰することを目的とする国際裁判所。略称・ICC。第2次大戦後,日本とドイツの戦争責任者と集団殺害行為の責任者を裁くために,連合国によってニュルンベルクと東京で行なわれた国際軍事裁判【こくさいぐんじさいばん】が最初である。ただ,この2つの軍事裁判は,戦時中の行為を戦後に定めた条例に基づいて処罰したことから,事後法による処罰であり罪刑法定主義に反すると批判され,〈戦勝国による敗戦国の裁きである〉とする懐疑も多かった。その後,1948年の*ジェノサイド条約および73年のアパルトヘイト条約が,集団殺害とアパルトヘイトを国際法上の犯罪とし,この犯罪を訴追・処罰するために国際刑事裁判所に管轄権を認めた。しかし,裁判所の設立は90年代に入るまで実現されなかった。

 国際刑事裁判所という名称をもった国際法廷が設立されたのは,まず,旧ユーゴスラビアにおける〈重大な国際人道法違反〉者を訴追・処罰するため,93年5月国連安全保障理事会によって設置された〈旧ユーゴ国際刑事裁判所〉、そしてルワンダにおける集団殺害に加担した者をやはり〈重大な国際人道法違反者〉として訴追・処罰するために94年11月国連安保理によって設けられた〈ルワンダ国際刑事裁判所〉がある。そしてこうしたアド・ホック(一時的)な国際法廷の設置に促され,歴史的課題でもあった常設の国際刑事裁判所の設立が実現可能になったのは,98年7月ローマにおいて,〈国際刑事裁判所規程【こくさいけいじさいばんしょきてい】〉が採択されてからである。規程の発効時期はまだ予測できないが,この刑事裁判所は,―乎鳥Τ穏瓠擇靴紊Δ世鵑気弔いざい】,*人道に対する罪,戦争犯罪,た略に対する罪に対し管轄権を有し(5条),裁判官は,締約国が推薦する者の中から締約国会議において選出される18人の法律専門家によって構成される(36条)。さらに,犯罪者を訴追する検事局は,締約国会議における秘密投票によって選ばれる1人の検事と1人もしくはそれ以上の副検事から構成される(42条)。なお,裁判所が言い渡した刑の執行は,裁判所が指定する締約国において行なわれることになっている(103条)。

(金 東勲)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:40 (1387d)