国際結婚【こくさいけっこん】

 異なる国籍の当事者(今日までのところ男女)の結婚。多くの多民族国家では,国際結婚は同国籍の当事者間の婚姻ととくに区別されておらず,珍しくないのに対して,日本のような単一民族イデオロギーに支えられている国家においては,国際結婚を例外視する傾向が強く,法制上でも,社会的にもさまざまな差別の対象となっている。法制上では,たとえば国際結婚に伴う新戸籍法は〈日本人と外国人との婚姻の届け出があったときは,その日本人について新戸籍を編成する〉(16条3項)となっており,結婚当事者のなかの日本人を中心に新家庭の成立を法的に承認するが,外国人配偶者は,その後生涯を通じて日本人配偶者中心に自分の家庭を認知する日本社会のなかで肩身の狭い生活を送ることになる。たとえば,日本農村地域における〈嫁不足〉現象に伴って急増している東南アジア女性との国際結婚は,〈嫁いびり〉が,ライフスタイルの相違と組み合わさって深刻な差別状況を生んでいる。国際結婚はまた,たとえばかつて日本国を代表する外交官の国際結婚が望ましくないとされていたことが示すように,国家的差別の対象となりがちである。また国際結婚の結果生まれる〈混血児〉についての差別をも生むことが多い。

 日本では,とくに第2次大戦後の占領時代に始まる米国軍人と日本女性との国際結婚によって生まれた〈混血児【こんけつじ】〉が日本社会において差別され,アフリカ系米国兵が認知せずに帰国したために施設に収容された〈混血児〉が、青年期に入っても日本社会に受け入れられず、ブラジルに集団移住した例もあった。一方,沖縄などの米軍基地社会における国際結婚は,父親の認知を受けていない〈混血児〉の深刻な人権問題を生んでいる。さらに,日本人の男性とフィリピン人女性の〈混血児〉が日本人の父親の認知を受けられない日比〈混血児〉問題は,両国において深刻な人権問題として注目されている。

(武者小路公秀)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:40 (1300d)