国内人権機関【こくないじんけんきかん】

 /邑∧歉磴里燭甬’修垢覺存の国家機関とは別個の公的機関で、憲法または法律を設置根拠とし、人権保障に関する法定された独自の権限をもち、いいなる外部勢力からも干渉されない独立性をもつ機関の総称。裁判所などの司法機関とは異なる。人権委員会のように複数の個人で構成される型と、オンブズパーソンのように単独の個人で活動する型がある。オーストラリアの〈人権・機会均等委員会〉やスウェーデンの〈国会オンブズマン〉など今日では世界各国で設置されている。

 発展途上国では軍隊や警察の権力濫用による人権侵害が横行し、また先進国でもマイノリティに対する構造的・社会的差別が解消していない。こうした人権侵害や差別の被害者は、費用と時間がかかり、しかも手続きが面倒な裁判を利用して救済を求めることはまれで、多くの場合泣き寝入りを強いられてきた。そこで冷戦後国際連合は、人権侵害の苦情について無料で相談を受け、迅速、簡単に救済をはかる、政府から独立した人権擁護機関の設置を加盟国に働きかけ始めた。

 1993年12月に国連総会は〈国内人権機関の地位に関する原則(パリ原則)〉を採択し、国内人権機関(以下〈機関〉)のあるべき姿を示した。機関の機能としては、/邑∨\・状況に関する政府・議会への提言、⊃邑⊇条約の批准や国内実施の促進、人権諸条約上の政府報告書への意見表明、す駭⊃邑関係機関などとの協力、タ邑教育・研究プログラムの作成支援、人権・差別撤廃の宣伝、などを例示する。これらの機能を実施するため、機関の構成員は社会の多元性を反映するよう選出し、その任期は明確に定め、独立した財源をもつものとするなど、機関の独立性の確保策を示す。また機関の活動としては、ゞ貍霓塾の検討、意見の聴取、情報・文書の取得、0娶や勧告の公表、た邑△凌長と保護に責任をもつ司法機関などとの協議、タ邑NGOとの連携、などを掲げる。機関は司法機関ではない。しかし、パリ原則は、…環笋鯆未犬討陵Чヅ解決、救済手段に関する申立者への情報提供、K[Г寮限内での申立の聴聞、他機関への移送、に[А規則、行政慣行の改正・改革の提案、など準司法的権限を機関は持てることも示している。

 アジア太平洋地域には、ニュージーランド、オーストラリア、フィリピン、インド、インドネシア、スリランカ、フィジーに機関が設置されており(1999年11月現在)、これら7機関はアジア太平洋国内人権機関フォーラムという連合体を組織し、定期的に会合している。なお、*自由権規約委員会は日本政府の第4回報告書に関する最終見解(1998年11月)で、日本の*人権擁護委員【じんけんようごいいん】制度は法務省の監督下にあり、勧告権限しかもたず、政府から独立した機関ではないとして、人権侵害の申立を調査する独立機関の設置を日本政府に強く勧告した。

参考文献

  • 国連人権センター編『国内人権機関――人権の伸長と保護のための国内機関づくりの手引き書』(山崎公士監修、マイノリティ研究会訳、解放出版社、1997)
  • 人権フォーラム21編『世界の国内人権機関』(解放出版社、1999)
(山崎公士)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:41 (1388d)