差別語【さべつご】

 人間を上下・貴賤の社会意識に基づいて分け隔てするため侮辱的に使われる言葉。個人または集団,いずれの場合も,差別語は受け手に深刻な精神的傷害を与える。日本国憲法14条の近代市民社会における根源的な人間の自由・平等の精神に照らし,言語による差別も当然許されない。

 1922年(大正11)3月3日に開かれた全国水平社創立大会は,<吾々に対し穢多及び特殊部落等の言行によって侮辱の意志を表示したる時は徹底的糺弾を為す>と決議,さらに<人間に光あれ>の水平社宣言に基づき,一切の差別を許さない決然とした姿勢で,戦後も糾弾を行なってきた。 <穢多><非人>などの封建制下の身分差別の言葉を,新平民(新平),特殊部落民などと言い換え,指摘を受けると,<ついうっかり><軽い気持ちで><差別の意図はなかった>と弁解するのが通例だが,これは,社会における差別実態・社会意識が共有するものと照応している。マスメディアが<禁句集【きんくしゅう】><べからず集>を作って,たとえば〈人夫〉を〈労働者〉〈作業員〉に,〈つんぼ桟敷〉を〈事情を知らされない〉〈局外に置かれる〉などと言い換えたところで,人権問題への取り組みが伴わないなかでは本末転倒である。人権への積極的な取り組みが,悪罵や嘲笑,排除や嫌悪を示す差別語を自主的に変えていく。言論表現の自由は基本的人権の最たるものだが,差別する自由は,守るに値しない。

*差別表現

参考文献

  • 曹洞宗宗務庁編『差別語を考えるガイドブック』(解放出版社,1994)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:42 (1417d)