社会ダーウィニズム【しゃかいだーうぃにずむ】

 イギリスの生物学者ダーウィンの生物進化論は,生物学の領域においてだけでなく,社会科学や思想、文化一般に対しても画期的な影響を及ぼすものであった。社会ダーウィニズムは,この生物進化論の影響を受けて,それを人間社会に適用してつくられた,社会進化に関する19世紀後半の学説である。その代表者としては,オーストリアの社会学者グンプロビッチ・ラッツェンホーファーが挙げられる。生存競争のもとで〈適者〉が生存して子孫を残し,その他の者は滅ぶという自然淘汰説【しぜんとうたせつ】を安易に人間社会に適用しようとすれば,どのような危険が生ずるか明白である。つまりこのような学説を導入することによって,人間社会の不平等が合理化され,あるいは戦争が肯定されることになるのであり,そのことによって弱者やマイノリティの人権が無視されることになる。

(友田泰正)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:45 (1388d)