障害者雇用促進法【しょうがいしゃこようそくしんほう】

 1960年(昭和35)7月25日制定(法律123号)。 正式名称は〈障害者の雇用の促進等に関する法律〉。旧称〈身体障害者雇用促進法【しんたいしょうがいしゃこようそくしんほう】〉。1987年(昭和62)改正で名称変更。障害者の職業的自立と職業の安定をはかることを目的とし,事業主が社会連帯の理念に基づき協力する責務を定める。<法定雇用率【ほうていこようりつ】>を設定し,常用雇用労働者のうち一定の割合で障害者雇用を義務づけている。法制定の背景には,高度経済成長期における障害者の生活問題の急速な社会化と,深刻な労働力不足があった。しかし、障害者の労働権・差別禁止の規定や、法違反への罰則規定もなく,91年(平成3)に一部の未達成社名を公表したにとどまる。97年改正で,知的障害者の就労実績とニーズの顕在化を背景に,初めて雇用義務上も<精神薄弱者>を含めた。精神障害者については依然として雇用義務から除外している。

 法定雇用率は,97年法改正で0.1〜0.2%上昇し,98年7月から,国・地方公共団体・特殊法人2.1%,民間事業所1.8%が施行された。常用雇用300人以上の未達成企業から障害者雇用納付金【しょうがいしゃこようのうふきん】を徴収し,これを財源に,達成企業に対して障害者雇用調整金や設備改善助成金を支給している。策定にあたりドイツ法が手本とされたが,ドイツは現在6%の法定雇用率を設定し,大企業ほど達成度が高い。日本では度重なる改正にもかかわらず,2社に1社は法定雇用率未達成で,とくに官公庁,民間大企業での重度障害者の新規採用が遅れている。

参考文献

  • 総務庁行政監察局『障害者雇用対策の現状と課題』(1996)
(臼井久実子)

トップ   差分 リロード   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:46 (1469d)