職業能力開発促進法【しょくぎょうのうりょくかいはつそくしんほう】

 1969年(昭和44)7月18日制定(法律64号) 職業能力開発の基本となる法律で,雇用対策法と相まって職業訓練【しょくぎょうくんれん】および職業能力検定の内容の充実強化等を総合的かつ計画的に講じることで,職業に必要な労働者の能力を開発し向上させることを促進し,職業の安定と労働者の地位の向上をはかるとともに経済および社会の発展に寄与することを目的とする。

 職業訓練は,戦後,*職業安定法による職業補導,労働基準法による企業内技能者育成の二つのコースが設定された。その後、高度成長期への移行のなかで失業対策としての職業訓練から若年技能者育成などのニーズ転換に対応して,58年に初めて単独法としての職業訓練法(旧法)が施行された。その後、完全雇用を目標に掲げた雇用対策法が66年に施行されるなど,高度成長期の技能労働力不足や技術革新による技能労働の質的変化などの雇用環境の変化に対応して,69年職業訓練法が施行され,旧法は廃止された。その後85年の法改正により,職業能力開発促進法と名称も改められ,職業生活の全期間を通じて段階的,体系的に職業能力の開発・向上をはかるという見地から,民間での職業能力開発,職業訓練を基本に位置づけ,官民それぞれの責任を明らかにした。

 現行法の主な内容は,々颪蓮たΧ版塾漏発の基本となる計画を作成し,都道府県はその計画に基づき,当該区域内において行なわれる職業能力開発の基本となる計画を策定する。∋業主は雇用する労働者の職業能力の計画的な開発および向上のため,職業能力開発促進者を選任するよう努めるとともに,職業訓練の実施,公共職業能力開発施設その他の施設への派遣,有給教育訓練休暇の付与等を行なうこと。9颪よび都道府県は,労働者が多様な職業訓練を受けることにより自らの職業能力の開発向上をはかることができるよう,事業主に対し援助及び助成を行なうとともに,各種職業能力開発施設での職業訓練を実施するなどの内容を盛り込んでいる。

 他方,*ILOでは,74年に有給教育休暇の付与に関する条約(140号条約)および勧告を採択している。この条約は,有給教育休暇の権利があらゆる段階での訓練に制度化されることを内容にしている。

 同和地区住民にとっては、安定就労に向けた職業能力の開発は重要な課題である。とくに過去の差別によって学歴や識字能力等における不利益が完全に解消されていない階層にとって、地域の身近な場所=隣保館等で実施することは、とくに重要になってきている。また部落における地場産業就業者にとっても、その実態に見合った職業能力の開発・向上の新たな仕組みが求められている。基礎的な職業能力の向上と今日的な技術の進展に対応した職業能力の開発の仕組みをいかに創造していくかが今後の課題となっている。

→*職業能力開発施設

(下野 修)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:47 (1295d)