人種差別撤廃条約【じんしゅさべつてっぱいじょうやく】 International Convention on the Elimination of All Forms of Racial Discrimination

 1965年、国連第20回総会において採択され、69年に発効。正式名称は〈あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約〉。ヨーロッパにおける59年から60年にかけての人種的、宗教的、民族的憎悪に基づく事件の頻発を背景として、63年に国連総会で採択された〈人種差別撤廃宣言【じんしゅさべつてっぱいせんげん】〉the United Nations Declaration on the Elimination of All Forms of Racial Discriminationを基礎に、異例の早さで条約が成立した。前文と25カ条から成る。締約国は150カ国(1999年3月現在)。日本は95年12月15日に加入、96年1月14日より発効。ただし、4条(a)および(b)については、日本国憲法の枠内でこれを履行する旨の留保を付した。条約は、1条で、〈人種、皮膚の色、世系descentまたは民族的もしくは種族的出身〉に基づく差別を〈*人種差別【じんしゅさべつ】〉と定義し、あらゆる形態の人種差別の撤廃を締約国に義務づける。日本では条約の加入時に、とくに部落差別が世系descentに基づく差別に該当するか否かに関連して議論があった。世系とは*血筋や血統を意味する言葉であるが、日本国政府は、人種差別撤廃条約は社会的差別には適用されないとし、部落差別が世系に基づく差別であることに対して消極的立場をとる。条約は、報告制度のほか、国家通報制度および個人通報制度を備えるが、今日までの委員会の活動は、締約国報告書の検討が中心である。 資料編A-13

(米田眞澄)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:48 (1358d)