水平社博物館【すいへいしゃはくぶつかん】

 水平社発祥の地,奈良県御所市柏原に1998年(平成10)5月開館した水平社運動の専門博物館。部落解放同盟奈良県連と地元が中心となって財団を設立し,建設資金等は全国からの浄財で賄われた。86年(昭和61),柏原で地区改良事業が本格的に着手されたのに伴い,水平社運動関係資料の散逸を危惧する声が住民からあがり,博物館建設が提起され、95年には解放同盟を中心に県内の教育,宗教,労働組合,企業等によって〈(仮称)水平社歴史館〉建設奈良県促進会が結成された。

 建物は2階建てで,延べ床面積1000平方m。1階ロビーの〈人権ふるさとマップ〉で地域の概要と水平社創立までの歴史を映像で紹介。2階の常設展示室は,プロローグとして*阪本清一郎の『回想録』から始まる。コーナー展示は,近代から始まり柏原部落の経済力と闘いの歴史の〈雲間の曙光〉,水平社の闘いに先鞭をつけた〈*大和同志会の結成〉,水平社の母胎となった*燕会の活動を見ることのできる〈全国水平社創立前夜〉,ファンタビューと映像で全国水平社創立大会を追体験できる〈全国水平社の創立〉,創立以降,戦時期までの全国水平社の活動をテーマとした〈全国水平社の展開〉,奈良県水平社の活動家と発祥の地となった柏原部落の活動家を中心とした〈奈良県水平社を支えた人々〉,〈柏原の三青年と柏原水平社の群像〉で構成されている。また,特別展示室も設けられ,5万点を超える館蔵資料をもとに,年1回,柏原の歴史や水平社運動にかかわる特別展が開催されている。なお、建設当初の名称〈水平社歴史館〉は、99年4月から博物館法に基づいて登録博物館となったため〈水平社博物館〉に変更された。

(守安敏司)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:48 (1354d)