大阪人権博物館【おおさかじんけんはくぶつかん】

 1985年(昭和60)12月に大阪人権歴史資料館として開館した日本で最初の人権に関する総合博物館。95年(平成7)12月のリニューアルオープンに際して現在の名称に変更。愛称・リバティおおさか。部落解放同盟大阪府連や人権に関する市民団体、大阪府・大阪市をはじめ府内の自治体などによって82年12月に設立された財団法人によって運営され、86年には文化庁により登録博物館の指定を受けた。被差別部落、女性、子ども、在日コリアン、アイヌ民族、沖縄、障害者、公害、病者、都市下層などをめぐる日本の社会的差別に関する資料を収集・保存し、展示公開することによって人権思想の普及と文化交流を目的としている。常設展示は〈人権からみた日本社会〉を基本テーマとし、〈被差別部落と身分〉〈性と家族〉〈民族と列島の南北〉〈身体文化と環境〉のテーマ展示をはじめ〈旧栄小学校記念コーナー〉〈西光万吉記念室〉〈水俣病資料室〉〈識字作品コーナー〉〈証言の部屋〉などに分けられ、差別の実態や解放への歩み、生活や文化など幅広く取り上げている。年2回の特別展や企画展などの展示事業をはじめ、演劇、コンサート、映画などのホールを使った文化事業、セミナー、野外講座、体験講座などの教育普及事業などに取り組んでいる。事業の推進にあたっては市民の自主的活動に対応した参加型・体験型の運営を重視し、公募展や共催事業を行なうとともに、ボランティアによるガイドを導入している。これらの諸事業により、通常の博物館としての展示観覧や事業参加のみでなく、学校や地域、職場における人権学習や研修にも広く活用され、99年12月現在、開館以来の総入館者数は約68万人を数えている。人権という視点から社会的差別を初めて博物館事業の重要な柱としたことは、その後の各地の人権博物館・資料館の設立や歴史系博物館における人権展示にもつながり、日本の博物館に大きな影響を与えている。

*博物館*水平社博物館

(向井 正)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:50 (1469d)