中心と周辺【ちゅうしんとしゅうへん】

 一つの社会または諸社会のシステムにおいて,発展を先導していく,あるいは諸機能の集中している支配的な部分を中心centerといい,発展に従属したり取り残される,あるいは機能がまばらな部分を周辺(周縁)peripheryという。従属理論で重視されてきた概念で,周辺からの収奪により中心の発展や優位性が成り立っているという考え方を含んでいる。現代社会においては,先進国,大都市,政治・経済・文化的権力を掌握している人々が中心であり,これらと対極をなす発展途上国,農村,人種的民族的マイノリティ・部落・女性・障害者・学校からドロップアウトした者などが周辺である。しかし近年,環境破壊や民族紛争,性暴力や幼児虐待などが深刻化するなかで,それをもたらした近代文明,経済発展・生産力至上主義,男性原理などへの批判が強まり,問題解決のモデルとして,周辺の社会や人々が保持してきた文化や価値が見直されるようになってきている。

参考文献

  • 庄司興吉編『世界社会の構造と動態』(法政大学出版局,1986)
(鐘ケ江晴彦)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:51 (1300d)