島差別【しまさべつ】

 本土(相対的に大きな陸地)に居住する者が,島(相対的に小さな陸地)に居住する,またはそこから移住してきた者を,より低位の者とみなす態度・行為。島差別の事例は全国各地にあるが,とくに沖縄【おきなわ】にかかわる事例が典型的である。沖縄出身者は,言葉(方言)の問題などを通して偏見を持たれ,全国各地で不当な扱いを受けてきた。アメリカ占領下での沖縄の特殊性が,この偏見に拍車をかけた。この特殊性は,第2次大戦後の敗戦のツケが沖縄だけに押しつけられてきた結果,生じたものである。その意味で,島差別は構造的に形成されてきた差別といえる。近年,沖縄出身の若者のスポーツ界や芸能界での活躍,沖縄県人の平和・人権の目覚ましい闘いなどにより,偏見は,徐々にではあるが解消の方向に向かっている。他の島差別の事例としては,九州などにみられる文化的・宗教的偏見に基づくケースもある。いずれも,本土と島との地理的,経済的,文化的,政治的,社会的差異を前提にしてつくられたものである。

 島差別を支える論理は,まず第1に,*〈中心――周辺【ちゅうしんとしゅうへん】〉の観念である。本土住民が島住民を見るとき,自己をより中心に近い存在と認識し,島住民をより周辺の存在と認識する。中心から周辺への眼差しが差別を生む。第2に,〈中心――周辺〉に規定された〈ドミナント(マジョリティ)――マイノリティ〉関係がある。経済的,社会的,文化的などのさまざまな分野で,本土の側が島よりもドミナントである。ここに,本土住民の,島住民に対する優越感が生じる。第3に,〈中心――周辺〉観念は,単に空間的な意味にとどまらない。それ自体,価値の問題に直結している。より中心に近いものがより価値が高いとする,日本文化の中央集権的価値観念が,島差別を支えている。

 多くの被差別部落が,歴史的に,居住空間を周辺部分に押し込められてきた問題点と相通じる。差別からの解放には,この〈中心――周辺〉価値観からの転換と解放が必要である。

*中心と周辺

(江嶋修作)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:52 (1411d)