閥【ばつ】

 なんらかの私的な属性や関係によって結合し、形成されるインフォーマルな人的ネットワーク。公的な目的のもとにつくられる集団ではなく、私的な利益追求のために形成される。閥の成員は、そのなかの有力者あるいは有力者群を中心に結束し、親分・子分的な上下の結びつきのもと、支配と従属(下に対する庇護と上への依存)の関係を形成する。その集団内にあって、個々の成員の思想や意見、個性の発現よりも、集団としての利害が優先され、個々の成員は強固な結合のもとで、集団的に利益を保障される。閥は外に対して排他的・閉鎖的であり、他の同質的な閥に対して、敵対的な関係をつくりがちである。閥には、血縁、地縁、婚姻によって形成されるもの(門閥、県人閥、閨閥【けいばつ】)、出身学校や職能集団によって形成されるもの(学閥【がくばつ】、官僚閥)などがある。閥は内部の相互利益を追求する集団であるがゆえに、近代的な業績原理・能力主義に対立し、公的な組織の運営や活動に少なからぬマイナスの影響を及ぼしている。

(石元清英)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:54 (1388d)