反差別国際運動【はんさべつこくさいうんどう】 IMADR(International Movement Against All Forms of Discrimination and Racism)

 全国水平社以来の国際連帯活動を基礎に,世界各地の反差別団体・個人がつくった国際人権*NGO(非政府組織)。<世界の水平運動>をめざして,全世界からあらゆる差別を撤廃し,差別と闘う人々との連帯を推進し,国際的な人権システムの強化をはかることを目的に1988年(昭和63)結成。初代理事長・上杉佐一郎。英語名International Movement Against All Forms of Discrimination and Racism,略称IMADR。90年(平成2)ジュネーブに国連事務所を設置,93年には国連経済社会理事会(ECOSOC)との協議資格(ロスター)を取得した。本部は東京で,日本,アメリカ,ラテン・アメリカ,ヨーロッパ,アジアに地域・国内委員会(準備委員会を含む)がある。

 人種差別の撤廃,先住民族の権利保護,移住労働者の権利促進,性差別を含む複合差別の撤廃などの分野でさまざまな活動に取り組んでいる。これまでの主な取り組みは,*アパルトヘイトの廃止,*人種差別撤廃条約の批准促進,ネパールの少数民族やアルゼンチン、グアテマラの先住民族の識字教育,インドのダリットの権利擁護、スリランカにおける国内避難女性への支援と女性移住労働者への人権侵害の調査、ヨーロッパにおける*移住労働者や*ロマ民族の権利擁護などである。日本の部落差別,とくに狭山再審についても国連の人権小委員会で公正な裁判の必要性を訴える活動を行なっている。現在,性差別を含む複合差別の撤廃の視点から,女性の人身売買撤廃プロジェクトや,人種差別撤廃のための国際キャンペーンなどに重点的に取り組んでいる。出版物として,ニュースレター『CONNECT』(季刊・英文)と,『PEOPLES』(英文)を発行。また,さまざまなテーマに関する書籍も出版している。99年現在,理事長はスリランカの女性弁護士,ニマルカ・フェルナンド,事務局長は武者小路公秀。

参考文献

  • 武者小路公秀・鈴木美恵子・友永健三『国連と人権NGO――反差別国際運動とは?』(解放出版社,1994)
(池内尚郎)

トップ   差分 リロード   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:54 (1300d)