部落差別撤廃・人権宣言・条例【ぶらくさべつてっぱいじんけんせんげんじょうれい】

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 部落差別撤廃・人権確立を求める宣言は,2000年(平成12)6月現在,全国950自治体(うち府県は11)で採択され,条例は637自治体(うち府県は11)で制定されている。これは,部落解放・人権確立史上はもとより,地方自治確立史上でも画期的な出来事である。部落差別撤廃・人権確立を求める宣言は900を超える自治体で採択されており,当該自治体としての差別撤廃と人権確立に向けた決意が示されている。ところが,その自治体で宣言採択以降も深刻な差別事件が後を絶たない実情があり,600を超える自治体で条例が採択されるところとなっている。条例は,地方自治体の法律であり,住民と地方自治体当局とのもっとも重要な契約事項であるとともに,住民相互の守るべきもっとも重要なルールという意味をもっている。

 条例制定に関するこの間の歴史的な経過は,三つの時期に分けることができる。第1期は,75年の*〈部落地名総鑑〉差別事件発覚以降,*興信所・探偵社に対する法的規制が求められ,85年に<*大阪府部落差別調査等規制等条例>が制定された時期である。第2期は,92年以降部落問題にかかわる法律が一方的に打ち切られる危険性が高まってきたのを受けて,足元からの部落解放基本法の制定が提起され,徳島県阿南市を皮切りに全国的に条例制定が進められていった時期である。第3期は,93年の細川連立内閣の成立以降,*地方分権が強く叫ばれるようになり,人権尊重のまちづくりが提起されてきた時期である。

 条例制定【じょうれいせいてい】に際しては,条例制定を求める広範な住民運動が組織され,条例の制定の必要性と,求められる条例の内容を浮き彫りにし,部落差別の実態を明らかにしたニュースやパンフが作成され,署名運動や住民集会が展開された。さらに,当該自治体の理事者や議会に対する精力的な働きかけが実施された。

 制定された条例の内容をみるとき,当該自治体での差別の現状,議会や運動のおかれている状況などに影響されて,”落差別撤廃条例(三重県伊賀町など),部落差別をはじめとするあらゆる差別撤廃条例(大阪府泉佐野市など),I落差別撤廃・人権擁護条例(徳島県阿南市など),ど落差別調査等規制等条例(大阪府,福岡県など),タ邑尊重の社会づくり条例(鳥取県,三重県,高知県など)の五つの形態に分類することができる。このなかでも,もっとも多い△両鯲磴侶疎屬蓮ち以検ぬ榲,市の責務,市民の責務,総合計画の策定,施策の実施,教育・啓発の推進,実態調査の実施,推進体制の整備,審議会の設置などで構成されている。

 条例制定後の課題としては,条例の普及・宣伝,審議会の設置,総合計画の策定,実施計画の策定,推進体制の整備などがある。また,全国的に条例制定を促進するために,条例を制定した自治体の連携が重要になってきており,長野県などでは、条例を制定した自治体のネットワークが構築され,経験交流会などが重ねられてきている。今後の課題としては,すべての自治体で部落差別撤廃・人権尊重のまちづくり条例【まちづくりじょうれい】を制定すること,その条例に基づき総合計画を策定し、条例の内容を実現していくこと,国のレベルでも地方自治体レベルで制定されている条例を受けた法律を整備し,総合計画を策定し実行していくこと,さらには,人権宣言や人権条例を持っている世界各地の自治体の連合体を組織し,国連と連携を持った国際人権活動も展望していくことが求められよう。□資料編C-1〜11

参考文献

  • 井上繁『まちづくり条例――その機能と役割』(ぎょうせい,1991)
  • 部落解放研究所編『人権条例とまちづくり――地方分権の視野から』(解放出版社,1997)
(友永健三)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:55 (1388d)