優越感・劣等感【ゆうえつかん・れっとうかん】

 優越感は,自分の能力とか容姿,社会的地位などが他人よりすぐれている,優越しているという感情。劣等感はその反対で,自分が他人より劣っているという感情,引け目の感情をいう。この二つの感情はみかけのうえでは対極的なものであるが,実際には密接な関連をもっている。A.アドラーは両者が相互補償的なものと考えている。優越感は主観的で不安定な感情でもあり,容易に劣等感に転化しやすい。また,心の奥底で強い劣等感を抱いているがゆえに,人前で自己の優越性を誇示しようとすることもある。なお,とくに無意識のレベルを問題にするときはコンプレックスという。差別との関連でいえば,自分に自信のない,社会的に不満をもっている人間が差別的行動をとりやすいという見方もある。部落住民などに対する*差別落書き【さべつらくがき】の内容はしばしば優越感に満ちたものであるが,その書き手はなんらかの意味で劣等感をもっている場合が多いと考えられる。

(山下恒男)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:57 (1388d)