労働権【ろうどうけん】

 労働の能力と意欲をもちながら職につけない国民が,国に対して労働の機会の提供を要求できる権利(憲法27条)。雇用対策法,*職業安定法,雇用保険法,高年齢者雇用安定法,*男女雇用機会均等法などの雇用法制がある。

 職業選択,経済活動の自由は全国水平社創立の綱領で掲げられて以来の積年の要求であって,雇用の保障と安定維持に同和行政の中心課題がある。*同和対策事業特別措置法は職業の安定を挙げ,これを受けて地域住民の雇用の促進および職業の安定をはかるため,職業指導および職業訓練の充実,職業紹介の推進などの措置を講ずる旨,定めている。憲法,職業安定法と相まって,就労の保障をめざして1973年(昭和48)に*統一応募用紙が制定され,差別的選考・採用につながる項目が排除されてきたが,96(平成8)年度には近畿と全国で統一応募用紙の一部改訂が行なわれ,公平選考に向け前進がはかられている。大量の不安定就業者の滞留をみた,かつての部落の実態からすると,その低位性は漸次解消に向かっている。しかし15歳以上の有業者における常雇いと臨時雇い・日雇いの比率,勤め先の企業規模,年収額,離転職など,今日なお差別に起因する低位な実態が存在している。加えて,最近の部落差別は,93年の総務庁〈同和地区実態把握等調査〉が示すように,就職の面から職場の生活面に広がってきており,労働権を保障した憲法の趣旨に反する事態が現われている。

*生存権

参考文献

  • 友永健三「差別の実態は厳存する」(『部落解放』383号,1995)
  • 杉之原寿一「部落の現状認識と『法』以後をめぐる動向」(『部落』600号,1995)
(睫鈞胆 

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:57 (1294d)