NPO【エヌピーオー】

 NPOとは,Non-Profit Organization(非営利組織)の略で,もともと米国でよく使われていた言葉である。企業などの営利団体と異なり,組織の構成員(会員など)に利潤を還元することを目的としない組織を指す。米国では,NPOとみなされる団体は多様で,大学,医療法人,研究機関,助成財団から草の根の市民団体まで含まれる。米国のレスター・サラモンらが1994年に発表した国際比較研究によれば,こうした広義のNPOによる雇用は,米国では712万人(労働者の6.8%),日本では144万人(同2.5%)である。

 もっとも,日本でNPOという言葉はもっと狭い意味で用いられる場合が多い。この言葉が広く知られるようになったのは,98年(平成10)3月の<特定非営利活動促進法【とくていひえいりかつどうそくしんほう】(通称NPO法)>成立以降である。同法は,市民団体による制定運動の結果生まれたもので,12の<公益の増進>に関わる活動分野を特定し,そうした活動を行なう団体が法人格を取得できるようにした。12の分野とは,(欸髻ぐ緡鼎泙燭亙〇磴料進,⊆匆餠軌蕕凌篆福きまちづくりの推進,な顕宗し歃僂泙燭魯好檗璽弔凌橋宗きゴ超の保全,β膾匈乙澑隋き地域安全,┸邑△陵文遒泙燭亙刃造凌篆福き国際協力,男女共同参画社会の形成の促進,子どもの健全育成,NPOの運営または活動に関する連絡,助言または援助である。NPO法に基づいて法人格を得た団体は特定非営利活動法人(NPO法人)と呼ばれる。

 これまで日本では,<公共の福祉>に関わるのは政府であり,民間はそれを補助するものと考えられていた。このため,公益法人を設立するためには,省庁の許認可が必要であり,政府の意に反するとされた組織の法人化は困難であった。NPO法の意義は,この<官中心>の考えを否定した点にある。同法は,一定の要件を満たせば自動的に法人化できる<認証>手続きを採用し,各団体の公益性は市民が自ら判断するものとして,事業報告書の公開を規定している。NPO法人には,財政的・人的基盤が弱い団体が多く,今後は税制面での優遇措置の整備などが求められる。

*NGO

参考文献

  • 『NPO法人ハンドブック』(シーズ=市民活動を支える制度を作る会,1998)
  • レスター・M・サラモン,H・K・アンハイアー『台頭する非営利セクター』(ダイヤモンド社,1996)
  • 山内直人『NPO入門』(日本経済新聞社,1999)
(川村暁雄)

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Last-modified: 2015-12-03 (木) 21:09:28 (1387d)