調査研究

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2005.02.17
部会・研究会活動 <地域教育システムの構築に関する調査研究事業>
報告書 教育コミュニティづくりの理論と実践
-学校発・人権のまちづくり-

子どもの育ちとその支援システム
−デンマークにおける学校・保育所・学童保育の協働−

沢広 あや



「次、ヤコブ。今日はどうするの?」
「僕は学童に行って4時半にお父さんと帰る!」

  毎朝、クラス担任による、子どもたちの放課後活動参加の確認である。学校内に学童保育所(1)が設置され、低学年の8割が参加する。授業が終わったら、その足で学童保育所まで走っていき、おやつを食べたり、ゲームをしたり、工作や裁縫をしたり。思い思いに午後の時間を過ごす。これが、デンマークの子どもたちの典型的な放課後の過ごし方である。学校内学童保育所は、授業が始まる前の午前6時半からも開いているので、朝から夕方まで、授業時間以外のほとんどを学童で過ごす子どもたちもいる。

 学校内学童保育所の設置が法律で定められたのは1987年。それまでは主に「余暇の家」と名づけられた子どものための放課後の居場所があったが、国の政策によって学校内に新たに設置された学童保育所が増え、「余暇の家」は少しずつ姿を消していっている。現在では約17万人の子どもたちが、毎日1600カ所ほどある学校内学童保育所へ通っている。

 デンマークは人口約530万人、面積は約4.3万km2で、日本の九州とほぼ同じ大きさである。ユトランド半島と大小約500の島々からなり、南端はドイツと国境を接し、スウェーデンとも、近年、大きな橋をかけて陸続きとなった。EUに加盟しているが、1993年にマーストリヒト条約を国民投票で1度否決し話題となり、またユーロ導入をめぐっても国民の意見が大きく2つに割れ、結局導入を見送っている。小国ではあるが、自国の経済、環境、福祉の政策に国民は満足しており、大きな集団に入って発言権が弱められることより、優れていると思う分野では独自の道を歩もうとしている。このデンマークという国で、子どもたちはどのような学校生活を送っているのだろうか。



1.就学前の子どもたち

  デンマークでは、一般的に、子どもは7歳になると国民学校(2)に入学できる。しかしほとんどの子どもが、その前の1年間を「幼稚園学級(3)」、通称0年生と呼ばれる学年で過ごしている。これは義務教育ではないが、国民学校での学校生活に慣れるために教育省が設置した、任意の制度である。無償であり、また学校入学の準備ともなるので、全児童の96%が通っている。この幼稚園学級の前段階にも、就学前の子どもたちのための様々な施設や制度がある。例えば、生後6ヶ月から2,3歳児までが対象の乳幼児託児所や、保育ママ制度(4)、3歳から5歳までが対象の保育所、0歳から所によっては9歳までが対象の統合保育所などがある。子どもたちはこれらの施設を利用し、学校へ入学してくる。また、学校に入学してからは、授業が終わった後などに、「余暇の家」(5)や学校内学童保育所などの就学児童対象の保育施設で、幼い間は親が迎えに来るまでの時間を過ごすのである。つまり、子どもたちの生活はこれらの保育施設なしには存在せず、子どもたちは学校に入学するずっと以前から、これらの場所で友達を作ったり、遊びを通して様々なことを学んだりする機会を持っているのである。

 子どものための通所保育施設が充実していることは、もちろん親たちが外で働いていることとも関係している。実際、デンマークはヨーロッパの中でも最も女性の就業率が高い国のひとつとして知られており、0歳から10歳の子どもを持つ母親の約8割がフルタイムで働いている。その割合は、子どもの年齢が上がるとともにさらに上昇し、パートタイムも合わせると、9割近くの母親が働いていることになる。

 しかし、だからといって、単に働く親の育児を引き受けるものとしてこれらの通所保育施設が発展したわけではない。デンマーク政府は1988年に、すべての子どもは教育的で良い刺激を受ける環境としての公的通所保育施設を使えるよう保証すると宣言した。つまり、子どもたちは、親の就労の有無や家族の状態に関わらず、これらの保育施設を利用することができるのである。また、子どもたちの親は、子育ての第一義的な役割を担う者とされ、子どもが通う全ての通所保育施設、学校には、親を中心とする運営委員会を設置しなくてはならないという法律も施行されている。この運営委員会は、各施設や学校のカリキュラムから、スタッフの雇用、運営費の使い方までを決定することができる。このように、保育施設、学校、親たちがそれぞれの役割を引き受け、毎日保育施設や学校を利用する子どもたちの生活をいかに充実したものとすることができるか、ともに意見を出し合いながら、日々取り組んでいる。



2.近年の子どもの変化 ―日本だけじゃない!落ちつきのない子どもたち―


 日本の小学校において、90年代から子どもたちが授業中に立ち歩いたり、教師の話を聞くことなく勝手な行動をしたり、暴言を吐いたりといった、子どもの「荒れ」が報告されている。また、学校に入学してままならない1年生の場合は、「小1プロブレム」と名づけられ、幼稚園や保育所との連携の必要性が叫ばれている。このような状況は、日本に限ったことではない。デンマークにおいても、授業中落ちつきがなかったり、教師が指導している最中に教師に別のことを話しかけたりしたりする子どもや、特別な配慮を必要とする子どももいる。学校や地域によっても多少異なるが、この問題は「落ち着きのないこども」について、1996年にデンマークの教育省が全国的に行なった調査からも明らかである。

  この調査は、これらの子どもたちが多い地域や学年、性別、また、「荒れ」の程度や教科ごとの違い、そして荒れる子どもの特徴や背景などについて、様々な観点から行なわれた。この調査によると、学校の規模や、都市、地方に関わらず、幼稚園学級と1年生で、教師の指示が聞けず、勝手な行動をする子どもたちの割合が多いという。これは、後に示すが、学校入学に際して、子どもたちがそれまでの生活習慣から学校文化への大きな変化を経験するためだと指摘されている。また、教室で教師主導で教えられる国語や算数、理科などの教科の方が、手芸や木工、家庭科といった、手を動かす授業に比べると、子どもたちの荒れが増加するという。そして、荒れる子どもの特徴としては、「集中力が他の子と比べて弱い子」「学力的に弱い子」「家庭の事情などで情緒不安定な子ども」が挙げられ、その他、移民や難民の子どもといった、デンマーク社会の文化や規範に馴染めない子どもたちにも、荒れが見られやすいと指摘されている (Egelund et.al. 1997)。

  子どもたちの荒れを早い段階から防ぐ方法のひとつとして、国民学校では、幼稚園学級への入学を年齢で決めずに、保育所や幼稚園学級の担任、親が相談して、子どもが学校入学への準備ができるまで、1、2年間入学を待つという方法もとられている。これは、幼稚園学級から1年生へ進級することについても同様である。1995年には約85%の7歳児が1年生になったが、2002年には、男子の20%、女子の12%が8歳で1年生に進級している。教育省の調査では、この、学校入学の年齢の上昇は続いているという(Jyllandsposten 02/02/2002)。

 子どもが学校での生活に適応しない理由には、日本と同様、様々な原因が考えられる。上述の教育省の調査では、家庭生活と学校との関係、そして特に移民、難民の子どもたちについては学校文化、デンマーク文化と彼ら独自の民族文化との格差が、荒れを引き起こす原因となっていると指摘された。家庭と学校との関係については、例えば学校生活で必要な、「人が話をするときは聞く」という態度や、「暴言や暴力を使ってはいけない」「学校へおもちゃを持ってきてはいけない」といった決まりを理解していない子どももいる。教師の中には、この事実に対して、「最近の親が学校へ通っていた当時は、もう厳しい規律が学校でも家庭でも存在しなかったからだ」と述べて、家庭でのしつけが行われなくなったことを原因と考える者もいる。彼らは、親自身の教育の必要性を感じ、保護者会などを通じて、子どもが学校で勉強するに当たって身に付けておきたい態度、つまり、人の話を聞き、先生が話した後で発言する、といった態度を、家でもしっかりつけておくように伝えているという。

 移民、難民の子どもたちについては、彼らが常に問題であるということではない。むしろ、家庭での厳しいしつけが行き渡った子どもたちもおり、逆に「よい子」として評価もされる。デンマークには毎年、中東、東ヨーロッパなどからの移民や難民がやってきており、彼らの子どもたちは、国民学校全体の8.3%に相当している(1998年現在。尚、最も多い移民はトルコからの移民である Windinge 2001)。これらの子どもたちは、デンマーク社会の文化や規範と異なる文化的背景を持っていることから、固有の問題が起こりうる。例えばそれは家父長制の問題であったり、女子の教育に関することであったり、また規範意識がデンマーク社会とは大きく異なることもある。また、親がデンマーク語を話せない場合、家庭での学習支援が不可能にもなる。その一方で、母親が家庭にいることで子どもとのコミュニケーションが十分取れていたり、また1人親家庭が、デンマーク人の家庭に比べて大変少ないことも、子育てにプラスに作用しているのではないかとも言われている。

 家庭生活と学校生活における規範意識のずれ、また家庭と学校の文化の違いなどが、学校でうまくやっていくことを妨げるひとつの原因になっているということが、この調査で明らかにされた。この問題を解決するには学校だけの努力では不可能である。子どもたちが落ち着いて、よりよい学校生活を送れるようにするため、デンマークの国民学校では、子どもの生活、学習環境が大きく変化する段階、つまり、保育所から幼稚園学級と1年生にかけての橋渡しの段階に注目した。



3.子どもの生活に一貫性を 


  1.で述べたように、デンマークの子どもたちは、早ければ0歳の時から通所保育施設で生活している。そしてその多くは保育所を経由して、6、7歳で幼稚園学級に入学してくる。しかし、ひとたび幼稚園学級へ入学すると、そこはこれまで6年間経験してきた生活と異なり、遊びの時間と授業の時間に区切られ、20人弱の子どもの中に教師が1人だけ、という環境で生活することになる。さらに、いつでも好きなことができたり、話したい時に周りの大人や友達と自由に話しができる、というものではない。自分たちの前に立っている1人の教師が指示を出し、それに従って行動する時間が多くなる。そしてその割合は1年生へ進級するとさらに高くなる。一方、幼稚園学級から3年生までの子どもの多くは、授業が始まる前と放課後に、学校内学童保育所や「余暇の家」へ通い、そこでは保育所の時と同じような、緩やかな時間が流れる。このような、保育所→幼稚園学級→1年生,学童保育所→学校→学童保育所という、それぞれ時間の区切り方や子どもの生活の仕方が異なる組織間のサイクルは、子どもが落ちついて生活し、その環境に慣れて行動することを妨げる可能性がある。そこで、デンマークでは子どもの生活に一貫性を持たせるための取り組みを開始し、保育所、幼稚園学級、学校、学校内学童保育所が協力し合うこととなった。



4.保育所と学校との協働


 ここでは保育所と国民学校との協力が積極的に行なわれている3つの例を紹介したい。

<1> 子ども同士の交流 

  ユトランド半島南西部に位置する、ステンナラップ国民学校では、地域内にある1つの保育所との協働プロジェクトがある。ここでは年に2回、保育所長、保育士、幼稚園学級の担任、学童保育所の指導員とが、小学校へ入学してくる子どもたちについての会議を行なう。さらに、保育所の子どもたちと、この学校の3年生との交流会も行なっている。この交流会では、来年学校へ入学する子どもたちが学校に安心感を持てること、年上の児童を知って入学できるということ、また学校の子どもたちも、新入生を迎える準備ができることがその目的とされている。1997年度の具体的な活動内容は以下の通りである。

3年生と保育士が年間スケジュールを作成。協働のプロジェクトを企画する。

  • 8月 教師と保育士による子どもたちについての会議
  • 10月 保育所児童の学校訪問 初顔合わせ。3年生が学校案内、本読みなど
  • 11月 3年生が保育所訪問  一緒に散歩、昼食
  • 12月 保育所児童の学校訪問 3年生がテーマウィークで作成したスライドを見せる。食事、遊びを一緒にする。
  • 3月 共同遠足
  • 3月 3年生が保育所児童をつれて社会見学
  • 3月 3年生が保育所を訪問
  • 5月 保育所児童が保護者とともに学校訪問 3年生が学校案内
    (デンマークの国民学校の年度始めは8月上旬。年度末は6月下旬)

 この交流について、学校は、3年生の子どもたちが、教師が思っていた以上にしっかりしていて、「年上」ということで責任感を持っていると述べている。また、保育所も、子どもたちが年上の友達ができ、自分たちの面倒を見てくれたり、助けてくれたりするということから、安心感を持っているようだと述べている。さらに子どもの親たちも、教師と保育士が交流を通して、子どもの今後の生活ついて協力してくれていることに満足だと語っている(Jakobsen 1998)。

<2> スーツケースとともに ―連続性の重視―

  コペンハーゲンから30kmはなれた町にあるラウンスホルト国民学校では、1995年から地域の保育所との協働がスタートした。この学校ではまず、教師が、子どもたちが学校へ入学してくる半年前に保育所を訪れる。そして保育所の子どもたちから保育所での活動について話を聞く。また、保育所の子どもたちも学校を訪問する機会があり、その時には、学校の教師や子どもたちと話したり、学校活動を見学したりしている。3月に保育所の子どもたちはまた学校を訪問し、幼稚園学級の子どもたちも保育所を2回訪問する。幼稚園学級の子どもたちは、保育所を訪問した時に、学校がどんなところか、例えば保育所の時よりおとなしく座ってなくてはいけないとか、発言する時は手を挙げないといけないんだよ、といったことを説明する。4月になると、入学を控えた子どもたちとその親は学校に招待される。その後も入学までの間に、数回にわたって子どもたちは学校を訪問する。

  この学校には、地域の7つから9つの保育所から子どもたちが入学してくる。そこで学校では、上記のような積極的な協働ができていない保育所からの子どもたちも含めて、学校入学の2、3ヶ月前に、子どもの親たちに対して、手紙で、「保育所時代に子どもと一緒にどのような体験をしてきたか」を、絵や文章で書くように依頼する。親たちはその絵や文を、子どもが入学する日に学校へ持参し、教師と親、子どもは、それらを見ながら話し合う。この取り組みは、子どもの保育所時代の思い出を、幼稚園学級の担任も共有し、それをきっかけにして、教師が子どもの背景を理解したり、親との対話をスムーズにすすめることができる。その後、これらの文や絵は壁にかけられ、のちに1人ひとりの子どもの成長を記録するスクラップブックに保存される。

  子どもが保育所から学校へ入学する際に、この学校では、子どもがこれまで保育所で慣れ親しんできた持ち物を学校へ持ち込むことをすすめている。この学校は、子どもが学校に通い始めることは旅にも例えられ、そのためには子どもがそれまでしてきた具体的な経験や、つけてきた能力を入れたスーツケースが必要となる。学校での最初の週には、子どもたちはそのスーツケースを開けて、教師と一緒に中身をひとつずつ体験する機会がひつようだと説明している(Hansen et. al. 1998) 。 

<3> 子どもと関わる大人たちの交流

 ユトランド半島東部にあるバッケ国民学校では、90年代後半に問題視されるようになった、子どもの言語習得について、幼稚園学級の段階から積極的に取り組み始めた。しかし、言語習得の問題は、学校入学前から子どもの日常生活を通じて発達させるべき課題であると考え、幼稚園学級の担任が中心になって、地域の保健衛生士、保育ママ連合、乳幼児託児所、保育所、学童保育所に働きかけた。そして総勢70名の子どもに関わる専門家が集まり、言語習得の問題について話し合った。この話し合いの機会に、彼らは、子どもの育ちに関して様々な角度から話しあうことができ、互いの仕事に対する理解と子どもの発達のためのつながりを意識することができたのである。また、中心的に活動した幼稚園学級の担任は、子どもが学校に入学する際、その後の学校生活で必要となる習慣についても話すことができたという。この交流の機会を通して、子どもと関わる多様な専門家たちが、子どもたちの日常生活に一貫性をもたらすよう、互いの仕事を深く理解しながら、学校入学へ向けてそれぞれの立場から協力するきっかけができ、大変有意義であったと、幼稚園学級の担任は語っている(Fledborg 2002)。



5.学校と学童保育所との協働


 次に、学校入学後の子どもたちの学習や生活に一貫性をもたせる試みとして、学校と学校内学童保育所との協働の例を紹介する。デンマークでは、学校内学童保育所の指導員のほとんどは公務員であり、彼らの資格は、保育士、幼稚園学級の担任と同じである。彼らと教師の協働によって、子どもたちの日常生活や学習活動がどのように営まれているのだろうか。ここでは、特に90年代後半から取り組まれ始めた、「全体学校」という新しい枠組みを採用している学校の例を、筆者が実際に見てきた中から紹介したい(6)。

<1> 「全体学校」での新しい学校生活

 ユトランド半島東部にあるヴァイレコムーネ(以下、ヴァイレ市)(7)では、1999年度から、子どもの日常生活に一貫性をもたせる「全体学校」プロジェクトを採用している。デンマークでは、90年代後半に、教育省、教員組合、自治体連合が共同で「国民学校2000」というプロジェクトを立ち上げた。その中の1つ、「よいスタートを 共通の基盤」というプログラムでは、就学前と後、学校とその他の保育施設との協働を目指すもので、全国の約50%の市がこの協働プログラムを採用している。「全体学校」は学校と学校内学童保育所の協働の1例であり、取り組む市の数も増加している。ヴァイレ市では、99年度にいくつかの学校を「全体学校」研究校として指定し、ここで「全体学校」についての研究が行なわれた。その後、この「全体学校」はその取り組みは、学校、親、子どもから大変評価され、ヴァイレ市は2002年度までに、市内の全ての学校で「全体学校」を採用する運びとなった。

 さて、この「全体学校」とは何か。これは、国会と教育省が、就学前後の子どもたちの日常生活、学習環境に一貫性をもたせるために、これまでの学校の枠組みを緩和した結果生まれた、新たな学校の姿である。デンマークでは、国民学校法が改正され、1)幼稚園学級から2、3年生までの教育を、完全には分断せず、できるところは共同で行なう、2)幼稚園学級の担任、教師、学童指導員は、それぞれの職域を越えて学校内で活動することができる、3)授業時間を法律で定められた、1、2年生20〜25時間/週、3年生22〜30時間/週という規定を越えてもよいとされた。この改正により、幼稚園学級担任、低学年担当教師、学校内学童保育所の指導員が、弾力的に協力することが可能となった。このような取り組みはヴァイレ市のように「全体学校」と名づけられたり、また「全日学校」「遊びと学び」「良い学校スタート」などと名づけられ、全国的に行なわれるようになった。

 学校と学童保育所による協働の取り組みでは、8時から14時までを授業時間とするのが一般的である。協働が行なわれる前まで、幼稚園学級や低学年では、授業が午前中で終了していたため、これはかなりの授業時間増である。実際1年生でも、週30時間の授業が行なわれているところも多い。しかし、この授業時間の中には、学童指導員が実際に授業を受け持ったり、教師と協力して授業をする時間がある。さらに、これまでの45分単位の授業時間の1部を90分単位として、1つの授業時間を長くしたり、また、休み時間を延長して30分から1時間とするなど、子どもたちが勉強だけでなく、遊びにも一定の時間集中して取り組めるように編成されている。このような授業時間と休み時間は、子どもが時間をかけて、学習内容や遊びにじっくり取り組むための配慮であると、「全体学校」に取り組んでいる学校は説明している。以下にはまず、99年から「全体学校」を採用しているミュルホルム国民学校の例を紹介する。

 

<2> 1日という流れの中で

  ミュルホルム国民学校の、教師と学童指導員の協働は、朝から既に始まっている。担任教師は毎日子ども1人ひとりに、その日学童保育所に参加するか、また何時に帰宅予定かなど、放課後の予定を確認する。この確認は、クラスによってはその日の授業が終わった後にされることもある。各クラスで確認されると、その日の子どもたちの予定は、学童保育所の部屋の前に張り出される。この毎日の確認によって、教師は子どもの放課後の予定について知ることができ、学童指導員は、子どもがいつ、誰と帰宅するのかを知り、帰宅時間まで責任を持って子どもを預かることにつながる。

  また、授業中の協働も盛んである。例えば、この学校では、1年生で週4日、15時間前後の授業に学童指導員が加わり、教師と一緒に、または1クラスを2グループに分けて授業を行なっている。授業を教師と学童指導員が分担して行なうか、または、学童指導員が落ちつかない子どもに注意を払いながら、授業を援助する形で参加するかは、各クラス、学年、また教師と指導員の話し合いで決められる。しかし、一般的には、学童指導員は創造的な活動をすることと、子どもの社会性や福祉的な面に注意を払うことが得意であり、教師はプランを立てて教科を教えていくことが得意だと言われており、それぞれの専門性をいかした活動がおこなわれているのが特徴である。

  学童指導員は、1日の授業時間の約半分に何らかの形で参加しているが、授業が終わると、今度は学校内の学童保育所で、子どもたちと自由な時間を一緒に過ごしている。そして学童指導員たちは、子どもを迎えに来る親たちと、学校での様子、教師からの伝言などについて話をする。協働が行なわれるまでは、学校の教師と親との間には、配布物を通じてか、年に数回行なわれる懇談会での話し合いが中心であった。しかし、学童指導員が授業中と放課後の子どもの様子を把握し、教師と協力して子どもの学習面や生活面を見ることによって、彼らは親たちに、子どもの学校での様子を全体的に話すことができるようになり、このことが、学校と家庭をつなぐことに役立っている。

  この「全体学校」の取り組みは、ミュルホルム国民学校で、現在2年生まで導入されており、順次対象学年を上げていきたいと、学校では話している。

<3> 多様な活動を通じた学び 

  ヴァイレ市にあるエンガム国民学校でも、この「全体学校」が採用されている。この学校にも学校内学童保育所が設置され、そこで働く学童指導員が、週15時間前後、低学年を中心に授業に参加している。筆者が見た1年生のクラスでは、じっと座って読み、書きの学習ができない子どもたちを教師が少人数で指導するために、1クラスを半分に分け、残り半分を学童指導員が担当して授業が行なわれていた。ここでも教師と学童指導員との専門分野を活かした協働がなされている。学童指導員が担当する授業では、子どもたちがグループになって、季節や学校行事にあわせ、色紙を切り抜いて復活祭の飾りを作ったり、コンピュータを使って案内状を作成していた。

  また、ミュルホルム国民学校同様、エンガム国民学校でも、休み時間が午前中に30分、昼休みが1時間と設定されている。この休み時間について、エンガム国民学校の校長は、「遊ぶ時間が30分から1時間あるということは、1つの遊びに集中できるということ、子ども同士でトラブルがおこった場合も、それを自分たちで解決するための時間があるということ、そして、次の遊びに移る時間もあることを意味する」と述べている。何事も短時間で解決することを望み(求められ)、また辛抱強さや集中力がなくなっていると指摘される現代社会の子どもたちにとって、これらの能力を、遊びの時間を通じて育んでいければという考えが表れている。これも、従来の学習だけではなく、多様な活動の中での学びをも重視する「全体学校」の特徴である。

<4> 教師と学童指導員との協働と課題 

  教師と学童指導員との協働は授業の中だけではない。授業や学校行事の計画を一緒に立てたり、子どもたちの様子について話し合ったり、共同会議を開いたり、また保護者面談には両者が同席するなど、子どもが学校で経験する全ての面において、なるべく両方からの視点を取り入れ、学校として幅広く子どもをサポートするような協力がなされている。しかしその一方で、互いの専門領域を意識し、教師、学童指導員が同じような役割になってしまわないよう注意している。もちろん、実際に子どもたちと日々関わる中では、自分たちの役割に線引きすることはむずかしい。教師と学童指導員は、それぞれの専門性と役割を認識しながら、子どもたちの学校生活に、どう一貫性をもたせることができるかについて、日々話し合いながら取り組んでいる。   

  この「全体学校」の取り組みをはじめ、教師と学童指導員との協働は、90年代後半から徐々に始められているが、まだ問題も多くある。まず、両者がそれぞれの専門性を評価しつつ、協働するということが難しいようである。学校の教師と学童指導員は、ともに子どもに対する見方も異なり、「文化」や「伝統」が違っていて、それが協働を困難にしている、と筆者がインタビューした教師や学童指導員は語っている。また、会議を開くことについても、両者の労働時間がずれていることが多いため、共通の時間を設定して会議をすることも、大変困難である。また、これまでは午前中の空き時間に会議や放課後の準備をしていた学童指導員たちは、午前中の授業にも参加することになったため、準備に十分な時間が取れなくなったことも問題だと語っている。さらに、これまで午前中で授業が終わった後、元気に学童保育所へやって来て、学童保育所独自の活動に参加していた子どもたちが、午後2時までの授業でぐったり疲れ、そのまま学童保育所へやって来るため、独自の活動が企画できなくなったと、学童指導員からの不満の声もある。

  また、教師の中でも、授業に遊びを取り入れることについて、子どもが幼稚化することを認めることになるという者もいる。彼らは、子どもたちが現代社会を生きていくために、学校はもっと積極的に学力をつける方向で変わらなければならないとも述べている。その一方で、今日の子どもたちの、学校での集中力のなさや、個人的な活動を求める様子を考慮すると、低学年では、机に座らせて全体学習をさせることより、1人ずつのニーズに合わせた学習内容や、社会性や創造力を養えるような機会、そして子どもの日常生活に配慮しながら学習を支援していくことは、学校にとって避けられない課題だという声も多い。

  そして教師と学童指導員の両方が抱いている課題は、移民や難民の子どもに関することである。移民や難民の子どもたちの多くは、幼稚園学級に入るまで、保育施設を利用していない。その背景には、母親が子どもの家庭教育を担っていることが考えられる。そして彼らの多くは学校に入学してからも、放課後の保育施設を利用していない。このようなことから、教師と学童指導員は、移民や難民の子どもについて話し合うことが少なくなりがちである。また、移民や難民の子どもが保育所に通っていないことは、彼らが他の子どもやデンマーク文化に親しむ機会を逃していることにもなる。つまり、移民や難民の子どもたちは、他のデンマーク人の子どもに比べて特別な配慮を必要としながらも、保育士、教師、学童指導員と接する機会があまりないということになる。この問題について、いくつかの学校の教師や学童指導員らは、移民や難民の子どもを対象とした取り組みを行なっている。しかし、このような取り組みは学校によって異なり、十分に対応できていないところもある。学童指導員が授業に参加することが、移民や難民の子どもたちの支援につながるかどうかが、今後の課題であると言える。

  一方、教師と学童指導員との協働について、親の反応は大変よい。彼らは、子どもたちが以前にも増して学校生活を楽しんでいること、学童指導員から子どもの学校生活全般について、日々話を聞けるようになったこと、そして教師と学童指導員が協働して、子どもの学校生活を支えてくれていることに、大変肯定的であるという。この「全体学校」の取り組みをはじめとする、教育省の「良いスタートを 共通の基盤」プロジェクトは、今後、これまでまだ十分でなかった、子どもの親の積極的な参加を目標に、継続される予定が決まっている。子どもの問題を考える時に、学校や学童保育所の専門家だけではなく、親の参加を含めた活動がどのように展開されるか、今後の課題である。

<5> 学力に関する取り組み

 全体学校では学童指導員が授業を担当するため、専門性という面では、学習の指導がおろそかになったり、計画が立てにくかったりするのではないか、という疑問もある。デンマークでは日本の学習指導要領に相当するものは、授業を1年間行なっていく上でのガイドライン的な役割をしていて、法的拘束力はない。しかし、特に子どもの読み書き能力は、時間をかけてでもしっかり定着させなくてはならない問題である。実際、デンマークは子どもの学力水準を他国と比較した場合、「読み」の能力が劣っているという結果がでており、教育関係者はこの問題をどのように解決するべきか模索している。

  筆者が見学したいくつかの全体学校では、特に、基礎的な学力である、国語と算数の練習課題を、教師が1人ひとりの子どもの達成度別に用意し、子どもたちが自分の達成度を確認しながら進んでいけるような取り組みとなっていた。例えば、ある学校の1年生では、教師が簡単な読み物をたくさん用意し、ひとりずつのレベルを意識しながら、子どもたちと相談し、子どもが読みたい本を選び、宿題として出していた。家庭学習で音読した後、学校では教師が子どもと1対1で音読を確認し、できるようになれば表に本のタイトルを記入するという方法である。この表を見ながら、子どもたちは自分がどんな本をどれほど読んだか、確認することができる。また、別の国民学校においても、算数の計算問題を、一斉学習で指導した後、各自に課題が与えられ、1人ずつ教師が確認していく方法がとられていた。

  これは、まず1クラスの子どもの数が全国平均で18.9人であること、さらに、丁寧に指導しなければならない教科においては、学童指導員と子どもを分担して指導することができるなどといった、数の面での利点が大きい。一斉指導がうまくいかない授業において、選択的に採用されるこうした個別指導は、教師が1人ひとりの子どもの学習達成度を把握して、効果的に指導できるだけでなく、早い段階から、教師が子どものわからないところを把握することにもつながる。また、子どもが授業中に、わからない或いは授業がつまらないといって集中しないという状態をも避けることができる。デンマークでは、国民学校法により、「児童/生徒の能力に合わせた授業形態」を必要に応じてとらなければならないとされており、この授業形態を利用して、基礎学力の定着を図っている。しかし、個別の対応が中心なのではなく、この方法はあくまでも教師が必要だと感じる授業においてのみ採用されている。教科によっては、個別ではなく、グループ学習を中心にすることも多く、これは特に高学年から中学校レベルでよくみられる傾向である。その他、幼稚園学級では、1年生以降の学習との連続性に配慮しながら、ゲームなどを通じてアルファベットや発音、文字の成り立ちなどを学んでいた。遊びを通じて導入部分にじっくり時間をかけることで、1年生になって初めて文字の学習をするよりも、わからないところが少なく、学ぶ意欲が落ちないのではないか、と幼稚園学級の担任は語っていた。



6.おわりに


  「今後、学校の役割はどのようになると思うか」という筆者の質問に対し、ある教師は「今日、人々はこれまでとは異なる様々な能力をもつことを社会から期待されている。そしてそれに合わせて学校も変わっていかなくてはいけない。」と答えた。「なぜ学校がそれほどの役割を負わなくてはならないか、それは、学校が既にその地域の子どもたちの学習や生活の中心的な施設であるだけでなく、友達や大人たちとの出会いを通じて、社会性を学び、養うための重要な場所なのだから。」と彼女は続けて語ってくれた。

  今日、学校で教えられる知識は、もはや教師や大人が独占しているものではない。「学ばれるべきもの」は時代の急速な変化に伴って変わり、子どもに期待する能力も多様化している。例えば、日本を例にとっても、「総合的な学習の時間」は、これまでの教師による指導とは異なり、教科の枠を越え、子どもの興味や関心に沿った授業内容が求められている。このような傾向は、本章で取り上げたデンマークや、他の諸外国でも見受けられる。「子どもたちがよく学ぶためにはどうすればよいか」「時代の要求する能力を持ち、常に新しいことに挑戦し、学ぶ意欲を持つためにはどうすればよいか」という議論は、いまや先進国の学校に共通する課題となっている。デンマークでは、このような、子どもの社会性、意欲、創造力、自己決定力、そして他者と協力する力などが、保育所や学童保育所での活動を通じて育まれており、学校での学びは、これらの施設の活動と連結することで、より豊かなものとなる。また、子どもの生活を中心に考えるならば、保育施設と学校という2つの異なった価値観や段差を日々経験するよりも、学校と保育所・学童保育所の大人たちが、互いの活動や目的を理解し、それぞれの活動に取り組むことで、子どもの環境は安定し、また、学校入学時に混乱をきたすことも少なくなるだろう。その環境を支えるものとして、親や家族、地域も含まれることは言うまでもない。

  日本でも、ますます多くの子どもたちが学童保育所を利用している。その多くは、施設や設備が十分でなく、指導員の資格も確立されず、待遇も不安定である。しかし、そこで日々生活している子どもたちの様子は、学校で見せる様子と必ずしも同じではない。指導員らとともに、遊びに熱中している姿は、学校での「無気力」や「集中力の欠如」といった議論と大きく異なっている。また、学童保育所での生活を通して、子どもたちが成長しているという実感は、子どもの親たちからもよく聞かれる。親が子育てに迷った時、学童の指導員たちの、子どもを見守る温かな視点に助けられる親も多い。放課後に子どもたちが見せる様々な姿から、子どもの発達と学習との関係、また家族や他者との関わりを理解することは、学童保育所の実践の中で行なわれている。私たちは、就学前後のこれらの実践に対して目を向け、子どもの全体像を浮かび上がらせながら、多様な角度から子どもの学びと育ちを支援することができるのではないだろうか。



  1. 学校内学童保育所:開所時間は、午前6時半から8時まで、そして午後の授業が終わってから午後5時までが一般的である。たいていは、親が仕事を終えてから子どもを迎えに来る。指導員1人当たりの子どもの数は、全国平均で12.1人(1998年)である。学童保育所の指導員は、ほとんどが有資格者である。デンマークには保育士養成課程があり、乳幼児保育士、保育士、学童指導員、10代後半までが対象の若者クラブの指導員、児童福祉教員の資格までを取得することができる。この保育士養成課程は高等教育レベルである。在学期間は3年半で、そのうち3回(1回目は3ヶ月間、2、3回目は6ヶ月間)の実習がある。3回目の実習は有償である。各保育施設には有資格で公務員の指導員のほか、ヘルパーと呼ばれる、資格をもたない指導員もいる。この中には高等教育を受ける前に、将来自分がどのような仕事につきたいか模索中の若者や、子どもと関わることが好きな地域の人々もいる。

  2. 国民学校は9年制の公立学校であり、選択制の幼稚園学級と10年生も設置されている。法律上、国民学校は5歳10ヶ月になると入学できる。授業日数は年間200日で、6月下旬から8月上旬までが夏休み、新学期は夏休み明けに始まる。

  3. 本文にもあるが、幼稚園学級は義務教育ではなく、選択制である。しかし働く親が多いことと、学校入学への良い準備段階となることもあり、全児童の96%が通っている。近年のベビーブームにより、幼稚園学級への入学者はさらに増加しており、1クラス当たりの子どもの数は20人を越えるところもある。幼稚園学級では基本的には文字の読み、書きは指導しない。しかし本文中にもあるように、言語習得を支援するという観点から、ゲームなどを通じて少しずつ文字に慣れるような働きかけを行なっているところもある。これは早期教育というよりは、1年生になって初めて習う文字に親しみをもって取り組めるための、そして落ちこぼれる子どもたちを減らすための対策である。その他、幼稚園学級には担当教師が予算内で購入できる、遊びながら学ぶための様々な教材が用意されている。

  4. 自治体が管理、運営する家庭的保育の1つ。研修を受けた大人が、自宅で最大5人までの乳幼児を預かる。家庭的な雰囲気の中で子どもが生活できること、また親にとっては、自宅の近くで子どもを預けることができるなどのメリットから、保育ママ制度は人気がある。

  5. 就学児童対象の保育施設の1つ。学校内学童保育所と異なる点は、「余暇の家」が学校とは別の独立した組織であるということである。

  6. 筆者は2002年3月6日から26日まで、デンマークのアルバートスルン市、コルディング市、ロスキレ市、ヴァイレ市にある、5つの国民学校、学校内学童保育所と、1保育所を訪問した。保育や授業を見せてもらった後、保育士、教師、学童指導員、校長、保育所長らに協働の取り組みについてインタビューを行なった。

  7. コムーネとは、日本の市レベルの自治体である。子どもの保育と義務教育について、デンマークでは、政府が全体的な方針を決定し、具体的な取決めは、各保育施設、学校及び市が行なっている。デンマークには全体で275コムーネある。


<参考文献>
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  • Zeuner, L et. al. (2001) Evaluering af folkeskolen ?r 2000 8-punkts-proegrammt: 6. En god start ?det f?lles
  • grundlag Amternes og Kommunernes Forskningsinstitut
  • 協力校:Absalons Skole (Roskilde Kommune), Bakkeskolen (Kolding Kommune), Engum B?rnehave, Engum Skole, M?lholm Skole (Vejle Kommune), Holsbjergskole, l?rkel?ngen (Albertslund Kommune) 
  • Jeg er meget taknemlig for deres ?benhed og hj?lp!