調査研究

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インターネット上の差別を考える研究会
 
インターネット上の差別を考える研究会
2001年7月28日
「インターネット上の人権侵害事象の解決方策について」

(報告)寺下誠(大阪府人権室)

「インターネット上の差別情報に対する基本的なあり方について」

(報告)浜田純一(東京大学)




インターネットでの差別事象について1998年に大阪府が行った府内の研究会の報告書について報告があったあと、浜田純一さんよりインターネットでの差別事象の解決のためにどのような取り組みが必要かということについて報告をいただいた。

大阪府の庁内報告は、特に民間NGOの育成という面でニューメディア人権機構の設立など一定の成果をあげており、それぞれの内容についても興味深い考察を行っている。しかし、現在の携帯電話などの使用によるインターネットへのアクセスからの差別事件といった新しい形態の差別の実態、その後のニフティ判決の展開などはふれられていないなどの面もあった。

浜田純一さんからは差別情報と差別表現とを分けた差別の実態の中で特に差別情報という実質的にも差別による人権侵害の危険性が高い内容に対する取り組みの提起があった。これは現在の憲法学的な表現の自由に対する学説との兼ね合いの中で、リスクが大きい差別情報についての取り組みを先に行うことの必要性をとかれたものである。

このことから、同時に人種差別撤廃委員会における政府勧告などでもみられる国際的な立場での表現の自由の考え方と現在の日本の憲法学的な考え方との違いもあらためて浮きぼりとされた。

その後ヒューライツ大阪の川本和弘さんより、ダーバン2001の「宣言」と「行動計画」の案の中に含まれているインターネットにかかわる部分の翻訳による報告と筆者から次回以降の研究会の提案を行った。

(田畑重志)