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2007.06.12
部会・研究会活動 < 「青少年対象施設を中心とした各地区拠点施設のあり方」検討プロジェクト>
 
「青少年対象施設を中心とした各地区拠点施設のあり方」検討プロジェクト報告
2007年6月9

プロジェクトの趣旨説明と情報交換

住友剛(京都精華大学人文学部)

 すでに当研究所ホームページなどでも伝えてきているところであるが、大阪市の青少年会館条例廃止後の現状把握を中心として、これからの大阪市内及び府内各地区における青少年センター等の拠点施設が果たすべき今後の役割を考えるのが、このプロジェクトの趣旨である。また、後述の第1回会合でも趣旨説明のなかで取り上げたが、このプロジェクトが取り組む課題は、今後「同和施策見直し」が進められる他の地域でも、別の地区内拠点施設について起こりうる課題でもあると考えられる。

 さて、6月に行われた第1回の会合では、本プロジェクトにかかわる主だったメンバーが集まり、座長からの趣旨説明のあと、すでにメンバー間で知りえた大阪市内の各地区における青少年会館条例廃止後の状況について情報交換を行った。

 まず趣旨説明において、このプロジェクトで取り組むべき内容が、基本的に次の3点であることを確認した。

  1. 青少年会館条例廃止後の大阪市内各地区の子どもや保護者、地域住民の状況把握を、3年間という期限を区切って継続して把握すること。
  2. その把握した状況にもとづいて、具体的に各地区でどのような取組みが可能か、実践的な提案を出すこと。
  3. 青少年会館事業の成果と課題を歴史的に振り返り、今後に引き継ぐものを明らかにすること。

その上で、参加メンバー間で、大阪市内各地区の青少年会館条例廃止後の状況について、情報交換を行った。そこでは、次のような状況が報告された。

  • 各地区ともに、もと青少年会館施設のうち、体育館の利用率は比較的高い。ただし、地区外の成人層の利用も多いという。
  • 条例廃止前は、放課後に気軽に立ち寄る形で青少年会館に子どもが集まっていたが、事前の利用申し込みなしでは行けないという指示があって、徐々にそういう層の子どもの来館が減少してきた。
  • もと青少年会館施設を、たとえばスポーツ、子育て、文化活動等の自主サークルが利用している例はある。行政の支援が失われるなかで、自主サークルの活動が今後の施設利用を支えていくと考えられる。ただし、自主サークルである以上、今後そうした活動が継続し得るかどうかはわからない。

なお、本プロジェクトは2007年7月以降、大阪市内のもと青少年会館施設や人権文化センターなどを順次まわっていく形で、現状把握と地元の人々との意見交換を兼ねながら活動をすすめていくことにした。また、同じく7月以降、青少年会館条例廃止後3ヶ月時点での大阪市内各地区の状況把握を、当面の課題として取り組む予定である。

(文責:住友 剛)