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2009.08.07
意見・主張
  

第24回原田伴彦記念基金運営委員会開催される

去る6月11日、第24回原田伴彦記念基金運営委員会が京都市内にて開催された。上田正昭先生より挨拶を頂いた後、部落解放同盟中央本部組坂繁之執行委員長から近況報告があり、家族代表の原田信太郎さんを始め、参加者の自己紹介があった。その後、議案に沿って以下の4点について事務局より報告と提案がなされた。

  1. 第9回原田伴彦・部落史研究奨励金については2名の応募があり、選考の結果、以下の2名に奨励金を支給したことが承認された。(以下敬称略)
    1. 山本琢「近世・近代における藩権力と民間宗教者の関係構造-土佐藩による「博士」身分の藩内組織化と近代以降の動向について-」
    2. 山下隆章「太鼓張替えに見る近世経済-讃岐高松藩の史料を中心に-」

      なお、部落史関係文献目録の作成については、若手研究者を確保する事ができず作成できなかった旨、報告された。また2009年度からは個人に対する研究奨励金から調査研究事業に対する研究助成に変更することになり、4研究事業と引き続き文献目録作成事業に助成する事が承認された。

  2. マイノリティ研究会への助成については昨年度の研究会の報告がなされた。
    2009年度については
    1. パリ原則を踏まえた国内人権期間の動向、とりわけ日本での国内人権機関設置に向けた研究、
    2. 差別禁止法の研究、とくにドイツにおける差別禁止法規定と意見表明の自由-ドイツ刑法130条を中心に-にした研究、
    3. 人種の表象と社会的リアリティに関する研究、
    4. 「東アジア共同体構想」について、
    5. 人種差別撤廃条約発効40周年、人種差別撤廃条約に関する日本政府の第3-6回報告書の問題点の研究等に一部助成すること

      が承認された。

  3. 国際関係事業として
    1. ヨ-ロッパのロマと日本の被差別部落民との比較に関するEUの比較プログラムへの参加に対する一部助成
    2. ナチス研究によるスインティ・ロマの虐殺に関するアウシュヴィッツ博物館の展示カタログの日本語出版への一部助成

      が承認された。

  4. 2008年度決算と2009年度予算案について報告され、いずれも承認された。

(文責 池上真知子)