Home人権関係新聞記事DB>新聞で読む人権>本文

新聞で読む人権
2007年4月-6月

古い家意識が生み出す「無戸籍」の子ども達

  • 2007年3月20日 読売新聞 大阪 戸籍取得負担重く 離婚後300日以内生まれは「前夫の子」
  • 2007年3月3日 朝日新聞 大阪 2年間で相談80件超 離婚後300日以内出産で出生届不受理
  • 2007年2月27日 日本経済新聞 大阪 戸籍がなくても国は旅券発給を 兵庫県、外相に要望書
  • 2007年4月14日 読売新聞 大阪 無戸籍児にも行政サービス 300日規定 厚労省、自治体に再確認

 離婚後300日以内に出産した子は、民法上前夫の子と推定されることとなっており、この規定によって、多くの当事者が不利益を被っています。というのも、離婚成立後300日を経過しないうちに出産した場合、前夫の戸籍に入ってしまうため、かかる状態を治癒するためには、親子関係否認の手続を経なければなりません。

しかしながら、前夫が協力的でない場合は、手続を進めることができませんし、親子関係否認の手続を進める際に、性交渉の有無やDNA鑑定を要するなど、真正の親子が被る負担は極めて大きいといわざるを得ません。その結果、出生届が受理されなかったり、そもそも出生届を提出しないケースが増加し、子育て支援などの行政サービスを受けられない状況に陥る人々がいます。

 このような状況に対しては、厚生労働省が、無戸籍の子どもたちについても、行政サービス提供が可能であるとする通達を出すなど、改善が進められています。しかし、今日の家族形態に合わない民法規定の見直しを含めて議論する必要があるのではないでしょうか。