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2007.08.08

新聞で読む人権
2007年7月

ハンセン病回復者に立ちはだかる社会の壁

  • 2007年6月1日 読売新聞 大阪 夕刊 とれんど 「あつい壁」再び築くな

 1931年にすべてのハンセン病患者の強制隔離が法制上定められて以降、ハンセン病の感染性が極めて微弱であることや、プロミンという特効薬が開発され、回復可能な病であることが明らかになった後も、ハンセン病患者は、長らく療養所に隔離されてきました。このような強制隔離政策は、1996年にいわゆる「らい予防法の廃止に関する法律」が制定されるまで改められませんでした。その間、ハンセン病患者・回復者のみなさんは、社会から隔絶された空間の中で、長い人生を送ることを強いられ、また、一般社会でも、ハンセン病に対する厳しい差別意識や偏見が強化されてきました。

 その結果、96年の「らい予防法」廃止によって、法的には隔離生活から解放されたにもかかわらず、当初は生まれ故郷に戻ることすら困難な状況でした。しかしながら、法廃止後、徐々にその社会の障壁は、低くなりつつあるようです。中には、同窓会に参加し、温かく迎え入れられた方もおられます。しかし、現在においても、様々な事情によって、療養所で生活している方が3000人近くおられます。差別や偏見といった社会の壁を崩していくためにも、かつての隔離の現実や、差別の実態を、直視する必要があるでしょう。そのために、入所者の方々は、施設を地域社会に開放しようと、努力しておられます。