Home 部落問題入門 > 最近の差別事件〜解放新聞より〜
2006.10.17
小山市の差別書き込み削除要請に
法務局が「断定できない」と
差別扇動を放置
2006年10月16日 第2290号

 【栃木支局】「小山の〇〇地区は、部〇出身が多いらしいよ」など、自由に書き込み閲覧できる電子掲示板での、きわめて深刻なインターネット差別書き込みが多発している。

 6月29日、県内の地方自治体では、はじめて小山市が宇都宮地方法務局栃木支局にたいして、サイト名「2ちゃんねる」内の悪質な差別書き込み(市内の被差別部落地名、出身者の名字)の削除要請をおこなった。これにたいし、法務局は「書き込みが特定の地域や姓を表わしているということは、「推測」できるが、伏字や隠語を用いた表現のため「断定」できないので削除しない」と回答した。


被差別部落地名出身者の名字を

 削除要請した「2ちゃんねる」電子掲示板の差別書き込みの内容は、個人を断定することはできないが、明らかに小山市内の被差別部落地名、出身者の名字を書き込んでいる。県連は、こうした行為は意図的な差別・煽動にほかならない。サイバースペースに存在する新たな部落地名総鑑といっても過言ではない、と懸念している。

 今回小山市が国にたいし削除要請をおこなったが、別名の掲示板に「★と・ち・ぎ・け・ん★part2」「両毛線part2」などがあり、県内の被差別部落地名を、当て字(アルファベット)を使って書き込まれている。

 県連は、家庭でのパソコン普及や青少年でも携帯電話から容易にインターネットできることを考えれば、現在放置されているサイトへの差別書き込みを監視する公的機関のシステムづくりが必要だ、と訴えている。

 7月7日に回答した宇都宮地方法務局の見解はつぎのとおり。

  1. 書き込みの内容を調査した結果、削除要請はおこなわない。
  2. 書き込みが特定の地域や姓を表しているということは、「推測」できるが、伏字や隠語を用いた表現のため「断定」できない。
  3. 読む側の解釈によっては、逆に差別していると非難される可能性もあり、手口が巧妙である。