平和や人権の大切さを伝える時、当事者（被害者）の視点は欠かせない。広 島・長崎に投下された原子爆弾、「鉄の暴風」と形容された沖縄戦など、戦争と 差別の被害を後生に生きる人たちにどのように継承していくのか、それがいまほ ど問われている時はない。ロシアのウクライナへの軍事侵攻が長期化の様相を見せているなか、この国で戦争を経験した当事者の言葉を直接聞ける機会は残り少なくなっている。
　戦争と差別に反対し平和・人権の大切さを伝える三つの美術館の作品、取り組 みを通して、芸術が伝える平和と人権を考えてみたい。

「原爆の図」を現在、そして未来につなげるために
　　　―原爆の図丸木美術館　　　　　　　　　　　岡村幸宣………2

芸術の力で伝える「戦世（いくさゆ）」の記憶
　　　―佐喜眞美術館　　　　　　　　　　　　上間かな恵………11

三良坂平和美術館が伝えてきたこと　　　　　　　　元泉園子………19

言葉と写真で世界をみつめる　
第18回　ジェノサイドへと至る差別に歯止めを
―自身の内面に巣食う偏見と向き合いながら　　　佐藤 慧………26

私の沖縄問題　第43回　　差別の免罪符を破り捨てる　　阿部　岳………32

明日をかえる法人―新た人権への取り組み
第62回　障害平等研修（DET）
　　―加害・変革当事者性（獲得）のための発見・対話型障害学習が導くもの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　久野研二………36
わたしの視点―メディアの現場から
第77回　自分自身の「いろめがね」と向き合いながら　　　佐々木聰………42

貧困・子ども・人権　第40回
社会全体で子どもの声を聴く
　―NPO法人全国子どもアドボカシー協議会の発足　　　　安孫子健輔………46

識字運動の担い手たちが語る　
第22回　人生の道を照らす識字〔前編〕
　　　長谷川勝美さん（よみかき茶屋・生江識字教室・日之出よみかき教室（木））　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　編集：岩槻知也………50

届け！声　（19）
「映画を観たい」思いはみんなのもの　　　　　　平塚千穂子………54

人権教育の実践の現場から（91）
「ただいまー！」（後編）　　　　　
　堺市立大仙西小学校　宮森直樹………60

泰司と元樹の書きたいざんまい　第11回
―「差別をしない・支えない・なくす努力を学ぶ」ということ⑥　　　　松村元樹………66

連載　走りながら考える　　　　　北口末広………68
―第254回　社会の様相を変える科学技術の進歩
　　　　　
連載　本の道草　第103回　　　冠野 文………72
―へんな文？ 正しい文？　

連載　映画を通して考える「もう一つの世界」映像のなかの在日④
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中村一成………74

連載　４コマまんが　ガッツせんべい（173）　背中がかゆい　　　くぼ たかし……31
2022年度 第43回人権・同和問題企業啓発講座（オンライン講座）【案内】 ……59
書評　押田五郎著『ごみ清掃のお仕事』　　　　　　　近藤登志一……64
第2回　みんなの人権映像フェスティバル【募集】　　　……79
人権をめぐる動き……80